アジア米めん市場拡大 フォー・ビーフンなど、コメの関心高まる

農産加工 ニュース 2022.08.08 12446号 01面
譚仔三哥米線の1号店「新宿中央通り店」は開店当初長蛇の列ができ、今も昼時は多くの人が並ぶ人気ぶりだ

譚仔三哥米線の1号店「新宿中央通り店」は開店当初長蛇の列ができ、今も昼時は多くの人が並ぶ人気ぶりだ

フォーやビーフンなど、アジアの米めん市場が拡大している。近年続くエスニックブームの中で、コロナ禍が家庭料理への浸透に拍車を掛ける。巣ごもり需要による大きな数字を作った20年との比較で、21年は動きが沈静化したが、直近も拡大を続けている。不安定な国際情勢でコメへの関心が高まる中、香港で人気のスパイスヌードル専門店「譚仔三哥米線(タムジャイサムゴーミーシェン)」の日本上陸が大きな話題となる一方で、小麦粉製品の値上がりで、ラーメンやうどんなどと比べて値頃感が出たことなど、複合要因が考えられる。=関連記事「ビーフン特集」(佐藤路登世)

ビーフン最大手のケンミン食品(2月期決算)は、ビーフン類全体で20年度が前年比1.5%増。外食やCVSに代表される業務用が同8.4%減と縮小したものの、家庭用が同15.6%増と好調だったためだ。続く21年度は業務用回復に底堅い家庭内需要も加わり、トータル同6.7%増。直近(3~6月)も同6.4%増と継続して拡大を続けている。

多様なエスニック商材を展開するユウキ食品(5月期決算)は、20年春のコロナ特需期を含む19年度、ベトナムの米めん・フォーの売れ筋(200g入り)が同52%も伸長した。業務用を含め全品では同23%増で、20年度は同3%減と反動があったものの、21年度は同14.9%増と再び拡大。ビーフンでは売れ筋「新竹ビーフン150g」が、コロナ前の18年度との比較で20年度が23%増、タイ製ビーフンも21年度、前年比26.2%伸長した。

こうした動きの背景に、ネットやSNSでガパオライスや生春巻きなど人気メニューの作り方が頻繁に紹介され、手作り派が増えていることもある。米めんだけでなくライスペーパーも、ユウキ食品(売れ筋120g入り)でコロナ前(18年度)と比較し、21年度は21%増。ケンミン食品でも20年度は前年比140.1%増と飛躍的に拡大した上、21年度も同42.5%増とさらに上乗せした。

さらにケンミン食品は今春、グルテンフリー市場に参入し、裾野の広いラーメンや焼きそばをECで発売し、ビーフン以外の米めんに挑戦する。一方ユウキ食品は、エスニック調味料のナンプラーで昨年3月、従来の70gと600g入りに加え、使いやすい140gを投入。こうした動きが米めん需要の裾野拡大に貢献することが期待される。

●関連記事「ビーフン特集」

https://news.nissyoku.co.jp/special/865061

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