20年上期の業種・カテゴリー天気予報

◆20年上期の業種・カテゴリー天気予報:健康・簡便ニーズが下支え

総合 2020.01.10 11995号 11面

RTDアルコール飲料 今年10月にビール類の増減税が控えるなか、コストパフォーマンスの高いRTDアルコール飲料への流入が続き、20年上期は2桁増の可能性も

RTDアルコール飲料 今年10月にビール類の増減税が控えるなか、コストパフォーマンスの高いRTDアルコール飲料への流入が続き、20年上期は2桁増の可能性も

包装米飯 女性の社会進出や少人数世帯の増加に加え、品質向上や安定供給も進み、さらに市場が拡大

包装米飯 女性の社会進出や少人数世帯の増加に加え、品質向上や安定供給も進み、さらに市場が拡大

豆乳 この10年間で倍の生産量となった豆乳。健康志向だけでなく、料理用途普及も後押しし、今上期も伸長の勢いが続きそうだ

豆乳 この10年間で倍の生産量となった豆乳。健康志向だけでなく、料理用途普及も後押しし、今上期も伸長の勢いが続きそうだ

◇五輪関連需要に大きな期待も

20年上期の食品カテゴリーの総合展望を天気予報形式で占った。今年は7月にいよいよ東京オリンピック・パラリンピック大会が開催され、日本経済にとって記念すべき年となる。大会開催に向けて五輪関連商材やインバウンド消費などが伸びる見通しだが、カテゴリー別予測を見ると依然として健康・簡便商材の有望性が続きそうだ。昨年は消費増税の影響で財布の紐が固くなる動きもあったものの、五輪効果に加え、5G(第五世代移動通信システム)商用サービス開始で新たな販促手法が生まれる可能性もある。五輪大会後の景気減速やキャッシュレスポイント還元事業終了後の消費の変化など不透明な要素も多いが、前半戦は底堅く推移する見通しだ。(業界天気予報特集取材班)

●快晴3業種=包装米飯・RTDアルコール飲料・豆乳

本紙で取り上げた102カテゴリーのうち、前年比7%増以上の高成長が見込める「快晴」予報は、包装米飯、RTDアルコール飲料、豆乳の3業種となった。社会構造の変貌による簡便ニーズの高まり、根強い健康志向がこれら市場の成長を後押しする要因だ。

包装米飯市場は女性の社会進出や少人数世帯の増加などから、「調理の手間を省く」「買い置きに便利」「個食ニーズに対応」などといった商品特性が支持され、急速に消費を伸ばしてきた。成長の背景には、開発・技術力の進化による品質の向上もあるだろう。主要メーカーはこうした需要の拡大へ生産設備の増強で対応を進めており、市場は10年以内に1000億円の大台を突破する公算が強い。

RTDアルコール飲料はそのまま飲める手軽さやコストパフォーマンスの高さが受け、ビールなど他の酒類の需要を取り込む格好で高成長を続けている。昨年の消費増税で酒類や外食に標準税率が適用されたのも追い風(家飲み需要の拡大など)になったとみられ、そこへ飲料大手のコカ・コーラが大型商品の「檸檬堂」で参入する動きもあり、市場の活性化に拍車がかかった。主要各社の商品開発競争も依然として活発化しており、今上期も快進撃を続ける見通しだ。

豆乳はイソフラボン効果やタンパク質補給などを求める健康志向に支えられ、長期的に成長を続けている。近年はフレーバーの拡大や季節ごとの飲用提案、鍋など料理向け用途の提案などが奏功し、新規ユーザーの獲得にも順調な成果を示す。昨年の豆乳生産量は上半期に前年比11.5%増の高伸長(日本豆乳協会調べ)を果たしており、通期では40万kl超への拡大となる見通し。この10年間でほぼ倍のペースで推移しており、今年上半期も勢いは続きそうだ。

晴れ予報となった19業種に関しても、健康や時短・簡便、個食対応といったキーワードが相変わらず顕著だ。食酢や納豆、パウチ惣菜など、機能性と簡便性に支えられたカテゴリーの成長が期待できそう。一方でこれまで高伸長を続けてきたヨーグルトやシリアル、惣菜などが反動から晴れ間から曇りなど伸び悩んでおり、これらカテゴリーの新たな活性化へ努めることも課題となろう。

今年上半期の業界環境は人手不足に伴うコストの上昇やCVSの時短営業の拡大、消費増税実施に伴う景気対策として導入されたキャッシュレスポイント還元事業が6月で終了するなど、不透明な要素も多い。

一方で7月からの東京2020大会へ向け、大きな消費のヤマ場の出現も見込まれる。大会開催前のオフィシャルスポンサーなど有力大手の積極的なプロモーション効果、スポーツ関連食品の需要増、インバウンド消費の拡大で外食向け業務用冷食や酒類などの増加も期待できそうだ。

通信の超高速・超低遅延などの高機能で今春から商用サービスを開始する5Gが食品市場へもたらす効果はまだ先になりそうだが、一部流通業では動画を用いた生活者への新たなアプローチ策の開発を進めている企業もある。小売店頭でのデジタルサイネージ(電子看板)との連動など、食品分野でも新たな販促策の確立へ一役買いそうだ。

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