新型コロナ:緊急事態宣言から3週間 食品流通、GW安定供給へ

卸・商社 ニュース 2020.04.29 12045号 01面

新型コロナウイルスの感染拡大防止へ向けた緊急事態宣言発令から3週間が経過し、食品流通は大きく変貌した消費構造への対応に尽力している。外出自粛に伴う小売業への来店客の急増などで一部供給できなくなった商品もあるが、製配販3層の連携で売場から食品を切らさない機能は社会的にも評価されるべき成果といってよいだろう。緊急事態下で今後も消費行動の変化が読みにくい中、直近では5月の連休の商品供給をどう乗り切るかが焦点となる。小売店舗への納入業者の陳列・販売応援のあり方へいかに向き合うかも、業界の重要課題に浮上してきた。(篠田博一)

●消費構造対応に尽力 店頭応援など課題も

政府の緊急事態宣言以降、食品物流は年末需要を上回るレベルの物量が続く。「直近の小売業の加工食品の注文は宣言前の1.5倍、前年比では1.8倍の増加。冷凍食品も1.3倍の高水準で推移」(大手卸)と大幅に跳ね上がっている。

売れ筋商品のシフトも顕在化し、当初、加工食品は即席麺やレトルトなど災害対策型商品が動いていたが、現在はパスタ・乾麺、粉類、菓子材料など自宅調理向きの商品へ拡大。冷食は休校で弁当系商品が減る一方、パスタ類やギョウザなどの主食系に集中するなど、これらの商品はすでに小売業が希望する数量を納品できない状況となっている。

直近の懸念材料に浮上しているのが、5月の連休中の対応だ。25日から連休へ突入したが、メーカーは新型コロナの影響が現在のような最悪の状況になる前の想定で休暇計画を決めているため、製造・配送部門とも休業するメーカーも多い。

現在の物量が続けばメーカー段階で欠品が起きることも危惧され、そうなれば「これまでの物流ひっ迫で商品供給ができない状況と異なり、店頭での欠品期間が長引く可能性もある」(同)。メーカーは製造品目を絞った増産で在庫を厚めに持って休暇に入る対応を取るため、連休中に想定外の買い占め騒動などが起きない限りは供給を満たせる体制で臨む。この間、行政や小売業が進めてきた買い物頻度抑制などの成果が期待される局面だ。

供給面の問題と並行し、小売業の取引業者に対する新店オープンや改装時の陳列要請、販売応援依頼への対応スタンスも重要な課題となってきた。大手メーカー間で会社のルールとして陳列応援を禁止する動きも見られ、卸も原則的には断る方向で対応しているが、地域の事情や必要性を考慮して対応せざるを得ないのが実情だ。

このため卸は小売側の感染防止対策などを厳重に確認し、人の密集を避けた午前・午後に時間帯を分けての対応など、社員の安全を守る対策を十分に求めた上で応援の判断へ努める。食品流通も感染リスクを負いながら業務へ臨まなければならない現状認識を共有し、企業間の理解と協力を持って取り組むべき姿勢が重要性を増している。