食品産業文化振興会、堀田国元氏が講演 新型コロナウイルス除去に次亜塩素酸水の有効性

堀田国元氏

堀田国元氏

 日本食糧新聞社主催の食品産業文化振興会は13日、緊急特別セミナーとして「NITE(製品評価技術基盤機構)次亜塩素酸水の有効性評価発表を踏まえて」をテーマに、機能水研究振興財団の堀田国元氏が、東京・八丁堀の食情報館で講演した。

 今回の例会はコロナ禍で会合が制限される中、三密を考慮した会場参加とWeb受講の2元体制で開催された。

 新型コロナウイルスの除去に有効な次亜塩素酸水についての誤った認識について、「電気分解型(電解型)の次亜塩素酸水は、JIS規格の装置で作り出したものでその効果は1週間ほど。2液混合などによって生成される非電解型次亜塩素酸水は有効塩素濃度に規格がなく、原液で使用できるのか、希釈が必要なのか説明がなく安全性に欠けている」とし、「電解型次亜塩素酸水は殺菌を目的とした食品添加物でもあり安全性が担保されているものだ」と強調した。

 講師の堀田氏はNITEで検証された最終報告(6月26日)により、「次亜塩素酸水は有効塩素濃度35ppm以上で新型コロナウイルスの除菌に有効だ」と説明した。ただし、利用に当たっては(1)汚れをあらかじめ除去(2)対象物に対して十分な量を使用–することが条件だとした。電解型次亜塩素酸水は、JIS規格にのっとった装置によって指定濃度の塩または塩酸を電気分解した生成水で、有効塩素濃度が安定し、急性毒性や粘膜刺激性などの安全試験をクリアし、食品添加物としても認められている殺菌料。

 今回、情報が錯綜(さくそう)したのは「電解型と非電解型の次亜塩素酸水をひとくくりに『次亜塩素酸水』としたために起こったことで、加えて一部報道で現時点ではとの一言がなく、次亜塩素酸水は効かないという印象を与えてしまった」ためだ。

 さらに、「次亜塩素酸水」が噴霧による空間除菌を目的として販売されることについて「人体への安全性を評価する科学的な方法が確立していないことや国際的にも消毒液の噴霧は推奨していない。加湿器などで噴霧、スプレーボトルなどで手や指、皮膚への使用は安全性に関する科学的な根拠が示されていないため控えてほしい」と注意を喚起し、適切な使用方法を順守してほしいとした。これからも安全性が裏打ちされている電解型次亜塩素酸水の啓発に注力する意向だ。(宇津木宏昌)

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