総額表示で販売3%減 値札が購買左右

総合 ニュース 2020.02.17 12014号 01面

消費税転嫁対策特別措置法で認められている税込み価格の総額表示の緩和が21年3月に終了する問題で、横浜市立大学の中園善行准教授は総額表示に戻った場合、販売数量が減少することを指摘した。中園准教授は「値札で大きく左右される。意思決定はかごに入れる瞬間」と価格表示が購買行動に大きく影響することを説く。13日のスーパーマーケット・トレードショーのセミナーで報告されたもの。(山本仁)

中園准教授は、値札の表示で税抜き本体価格と税込み総額表示との違いが購買行動にどのような影響を与えるかを分析した。食品スーパーやドラッグストア、コンビニエンスストア、ホームセンターにアンケートを実施し、値札の価格表示で税別か税込みかで分けた。

価格表示の切り替え時期については、特措法で総額表示が緩和された13年10月には15%ほどの店が税別を採用し、14年4月の5%から8%への消費税率引き上げ時には75%が税別にしたという。それにインテージによる販売データを組み合わせ、販売への影響を検証したところ、税込み表示では販売数量が3%低下する結果が得られた。税別の場合、税金を細かく計算する方が手間で、レジで支払い金額が少し変わっても気にしない「合理的不注意」が起きていると指摘する。

そうした意思決定をしているのは高所得者に多い。データ分析から世帯年収700万円以上は税別表示の店舗でより多く買い物をしており、「税込みだと少し買い物かごに商品を入れるのをためらう一方、税別だと普段より数多く購入し、その差が5%ある」(中園准教授)という。低所得者は差が小さく統計的に意味はなく、高所得者だけが表示の違いで購買行動に変化が起こることを示唆していると話す。

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