ファミリーマート、日常使い重点の品揃え 調味料・酒を拡充

小売 ニュース 2020.09.30 12125号 04面
下期の重点商品を手に佐藤英成常務執行役員

下期の重点商品を手に佐藤英成常務執行役員

 ファミリーマートは今下期の商品戦略として日常使いの品揃えに重点を置く。新型コロナウイルスの影響で内食や家飲み需要が強まる中、調味料などの加工食品や酒類などの扱いを拡充し、女性客の開拓も進める。販売が伸びている冷凍食品でも野菜などの素材商品も強化する。同時に外食に行く機会が減っているため、付加価値商品も充実する。販売期限を延ばすロングライフ化も進める。(山本仁)

 下期の商品戦略について、同社の佐藤英成常務執行役員商品・マーケティング本部長は「日常使い商品の品揃え拡充がキーワード。課題だったターゲットとして、女性客を取り込む。1ヵ所でいろいろな商品が買えるようにする」と方向性を示す。

 コロナ禍で、在宅時間を重視する新しい日常生活に対応した品揃えを展開する。日常使いの商品を拡充して、健康志向への対応や、満足・満腹感の高い商品、外食需要を取り込む専門店との協業した商品の開発に力を入れる。

 日常使いへの対応は、各売場で強化する。日配売場ではコロナ禍で伸長している卵や納豆、豆腐の拡大展開、カット野菜を含む青果の強化、調味料の扱いを広げる。冷食では冷凍野菜のPBをグリーンのパッケージに刷新し、税込み108円均一の素材系商品としてラインアップを拡大する。

 菓子ではPBの大袋商品の拡大、アソートや個包装商品を大袋化する。家飲み需要で好調な珍味もビーフジャーキーやチーズ類を強化する。酒類ではレモンサワーの素など割り材、ウイスキーやワインなど大容量商品を拡充する。

 惣菜の「お母さん食堂」は女性客がけん引し、前年を上回って推移している。おかずやつまみ商材を展開していくほか、巣ごもりでちょっとしたぜいたくを求めるニーズに対応し、定番のハンバーグ、ビーフシチュー、ビーフカレーを高付加価値商品で販売する。

 付加価値型商品では、おむすびの新ブランド「ごちむすび」をラインアップし、具材も定番のサケはらみやサバ、準定番のイクラ醤油漬けのほか、限定のイベリコ豚を商品化する。

 デザートでも専門店の品質を追求し、人気のチーズケーキに注力するほか、専門店との協業で「榮太樓監修くろみつとあんこのホイップシュー」を11月に発売予定。

 看板商品のファミチキでは12月発売予定の4種のチーズを使った「クワトロチーズインファミチキ」で年末商戦に挑む。

 健康志向では摂取したい栄養素の上位のタンパク質、食物繊維、乳酸菌を使った商品開発を進める。11月には低カロリーでタンパク質も取れる「ローストポークのサラダランチ」や「1/2日分の野菜が摂れるミネストローネのパスタ」を発売する予定。

 ロングライフ化も推進し、19年実績で107品だったが、今年の計画では69~172品追加して累計279品にする予定。下期にはパスタでもフィルムで蓋をして密封するトップシール化やバーガー類でピロー包装にするなどして販売期間を延ばし廃棄ロスを削減する。

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