海外情報 米国の外食にドミノ減少、不況で閉店・倒産の嵐

1992.04.06 1号 18面

アメリカの外食産業に、嵐が吹き荒れている。倒産と閉店のドミノ現象で、八九年には三七万九〇〇〇店あったレストランが三年たった今年は一万店の減少である。割高観のみられた日本料理店やすしバーもこの中に入る。

八〇年代の後半は客単価五〇㌦以上の高級レストランが不振で閉店を余儀なくされたが、九〇年代に入ってからは客単価三〇㌦前後のミドルクラスレストランにまでこの波は拡大し、やみそうにない。

理由は深刻な不況で外食費の節約による。アメリカ経済は低成長で景気後退も鮮明となってきた。企業も減益、小売りも不振で深刻。銀行の倒産も高水準で不動産不況も拡大。マンハッタンは空室の続出。自動車の販売もマイナスで、個人消費も冷えきっている。

この中で内容の充実し、しかも価格の安いレストランに人気は集中している。夕食を一〇㌦でとれれば十分とする人々がふえてきて、一〇㌦レストランに賑いがみられる。

またさらに安くすませるにはデリカテッセン・レストランがある。ニューヨークにはステージ・デリ、カーネギー・デリ、カッツ・デリなどとよばれる有名なデリ・レストランがある。

これらのデリカテッセン・レストランはニューヨーク人のハート(心)ともよばれ親しまれ大繁昌を続けている。メニューをのぞくと

パストラミ・サンドイッチ 八・五〇㌦

コーンビーフ 〃 〃

ロースト・ビーフ 〃 〃

チョップド・レバー 〃 七・五〇

サラミ 〃 七・五〇

(92・2月価格)

とあり人気ベスト・ファイブである。

そしてこの内容をみると何れも直径一〇㌢、厚さ二㍉ぐらいの肉をスライスしてはさんであるが、その枚数が一六枚から、多いのになると二四枚もある。目見当でスライス肉をはさむので数に差のあるのもアメリカ的。

アメリカ人は家族そろってこれらのデリ・レストランに行くのが最大のたのしみとか。食べ残ればテイクアウトもOK。ジュース・コーラ類をのむ人も減り、フリーの水をのむ人がふえている。またデリレストランより安いメキシカンフードも人気で、タコスとブリトーの売れ行きが良い。安さと実力の店に人々は集中。

大統領選挙のさい中であるのに景気は燃えず、人々はレイオフにおびえ、無駄をはぶいて生活を守る姿が少し寒々しく思われる。

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