デリバリー「寿司」 ピザをしのぐ伸び 平均原価率40%、課題は過剰オーダー

1996.09.09 109号 18面

デリバリーピザをしのぐ勢いで伸びているのがデリバリーずし業態である。従来の出前ずしに比べ、「配達が早い」「品質は同等で安い」というのがセールスポイントだ。成長著しいデリバリーずしを検証する。

デリバリーずしは、すし店の出前を専門化した業態である。イートインスペースは持たない。業態コンセプトと展開パターンはデリバリー業態とほぼ同様(30~31面参照)。むしろピザ以上のメリットがたくさんある(別掲)。

調理オペレーションの大筋は、すしロボットで握ったシャリ玉に業務用スライスネタ、もしくは自前で裁いたネタを乗せるというもの。最近は、シャリ玉とネタをなじませるためネタを乗せた後に一度手握りするパターンも増えている。

ネタの原価率は、業務用スライスネタだと約四五%、自前さばきだと約三五%。品質訴求の決め手であるマグロだけは自前さばき、ほかは半々というケースが一般的で、平均原価率は約四〇%。ピザ(二五~三〇%)よりも高い。売り値は立ちずしの六~七割程度が相場である。

高効率の半面、決定的弱点もある。過剰オーダーを招きやすい点である。すしロボットを用いるとはいえ手作業が多く、一度に大量オーダーが入るとオペレーションがパンクする。過剰オーダーを避けるべく、オーダーを見越した仕込みノウハウの構築が各店に共通する課題となっている。

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