これがデリバリーのノウハウだ 車両、ミゼットⅡが台風の目

1996.09.09 109号 31面

デリバリーに欠かせぬのが車両である。ジャイロ(三輪バイク)を採用するケースが多い。

デリバリーの祖ドミノ・ピザが宣伝戦略として打ち出したものであるが、いまや業態のトレードマークと化している。

ところがこのジャイロは故障が多い。レジャー用に開発されたためか耐久力がない。デリバリーに用いるともって二~三年。メンテナンス費用だけで悲鳴をあげる店舗も少なくない。ジャイロシリーズには、ジャイロX、ジャイロアップ、ジャイロキャノピーの三バージョンがあるが、メンテコスト、耐久力を考慮して、一番安いジャイロXを選ぶ向きが増えているそうだ。

最近はローコスト化の流れで二輪スクーターに衣替えする店舗が増えている。特に、業務用二輪スクーターのギアが登場してからはその傾向が顕著である。ドミノ・ピザ、ピザハットなど大手チェーンでも二輪導入に乗り出すなど、各方面でジャイロとギアの比較が始まっている。

耐久性、ファッション性、回避性能に優れるギアが、ジャイロの寡占市場でいかなる評価を得るか。まずは発売から三年経つ来年が判断の年だ。

そのほか、このほど現れたダイハツ工業のミゼット2が注目株だ。ファッション性に優れるミゼット2は、マンネリ化したデリバリーイメージをリニューアルする好材料。導入の機運が高まりつつある。四輪のため都心部は不向きだが距離を走る地方には最適。価格も約五〇万円と手ごろで、ファッショナブルでアルバイトを集め易いというメリットもある。発電能力を生かして保温を徹底することも可能だ。今後の活用法に注目だ。

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