トップに聞く97外食・飲食業界の予測と戦略 シダックス・志太 勤社長

1997.01.06 118号 26面

(1)株式の店頭公開、志太ファンド・志太ニュービジネス総研設立、インターネットビジネス立ち上げと、社会的にも影響ある出来事が多かった。これは二〇〇年に一度あるかどうかという世の中の変化がこういうことをさせている要因である。

特に、店頭公開は念願かないうれしい出来事であった。五年かかった。社会が給食業界を認識してくれていることであり、私どもの会社を育ててくれた業界に感謝するとともに、幾分なりとも業界に貢献できたと思うし責任の重さも実感する。

(4)近い将来の情報ネットワーク構築は絶対にやり遂げたいと思っている。給食関連業界のネットワークを構築して給食の新しい変革をしなくてはいけない。インターネットは交信が電話代で済むからなるべく多くの方に参加して欲しい。

たとえば、原価計算や給料計算の良い手法があれば皆に提供して共生できるシステムを作り、従業員は給食提供のレベルアップに専念できる体制を構築して、その部分で同業間で切磋琢磨していけばいい。本社はいらない時代が来てもおかしくない。

現場をしっかり守るだけという思い切った変革が必要と思う。スーパーやCVSが大規模チェーン店の台頭で中・小の小売店が総なめに潰れたように、給食業界も中・小の集まりであるから、いつ大資本が参入して総なめにされてもおかしくはない。そういう意味では業界には危機感を持って将来を展望して欲しいと思っている。

CVSが優秀な惣菜のベンダーを育てたように、給食業界も共生しながら何か新しいものを育てなくてはいけないと思う。新しいものを創造するために、給食を核にして大同団結した強力な連合体を結成したい。

個人的にニュービジネス協会の副会長に就いて二年になる。店頭公開と志太ファンドの設立は予想以上に反応が大きかった。予想以上に大きな形にせざるを得ないことになり、もう一度構想から練り直している。具体的には春ごろには動きが出そうだ。

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