飲食トレンド:おいしくなければ、楽しくなければ、飲食店に明日はない

1997.04.21 125号 1面

わが国外食産業発展史は、アメリカの近代的食堂経営技術の移転の歴史であった。しかし、その段階はもう終了した。今はむしろ、経営技術移転が最優先されて見逃されてきた、飲食業が本来持っている“人間くさい要素”=おいしい・楽しい・うれしいが求められている。

飲食する楽しさ、おいしい物に出合う喜び、それがもたらす感動。それがアメニティーであり、人をもてなすホスピタリティーである。それらは、本来飲食「専門店」(=業種店)にあったものである。その専門店のこだわりこそ、今の時代が求めるものである。

アメニティーとホスピタリティーをともに具備した飲食専門店、それこそが新しい時代の飲食店である。それは大手飲食企業が否定してきた店であり、大手には運営できない店である。

こんな話は、どこのマスコミにも載っていない。誰がソビエトの崩壊や社会党出身の首相を予想できただろうか。真実は、綿密なデータ分析と現場実査からしか見えないものである。ここに書くことは、まさに真実である。

専門店志向の中小飲食店や中小FCチェーンにとっては、こうした分野に進出することが成功のチャンスをつかむ好機である。マスコミや世間の常識とは逆に、意欲ある飲食店にとっては、大いにチャンスのある時代がやってきているのである。

(2面につづく)

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