お店招待席 ステーキハウス「花まさ館」(東京・銀座) ソースに万全の配慮
銀座八丁目。首都高速道路八号線下の商店街「ギンザナイン三号館」一階。銀座中央通りに面して、斜め前に博品館がある。
肉のハナマサグループが経営するステーキハウス。店舗面積は約一〇〇坪、一四〇席の大型店舗で、入口からみて左手が厨房、パントリー、右手が客席というシンプルなフロアレイアウトになっている。
客席はボックス席、テーブル席と二つのパターンがあり、利用人数や気分によって、席を使い分けすることができる。事実、店の運営システムとして、五人から一〇〇人までのグループ、パーティー客に対応できる体制にある。
それにしても、この店のステーキは安い。ハナマサグループはステーキハウスのほか、焼肉レストラン、バイキングなどを含め四一店舗をチェーン化しているのであるが、チェーン展開によるスケールメリットはもちろんのこと、別事業で輸入肉、和牛のミートパビリオン(どっきり市場‐首都圏中心一四店舗)を展開しているので、それだけ食肉については、仕入れコストを安くできるという、他社にない強いバイイング機能を発揮している。
ミートパビリオンというのは、食肉および関連食材の小売店であるが、とくに牛肉についてはオーストラリア産やアメリカ産のものを量的に輸入しているので、市価に比べ半値から二、三割安く、プロの業者も買いにくる。いわば食肉のディスカウントショップである。
こういった事情で銀座花まさ館のステーキメニューもロープライスということになるのであるが、ただ安いというだけではない。ステーキに欠かせないソース(タレ)の工夫も怠りなく、肉のおいしさをより引き立てている。
「和牛肉でしたら塩、コショウでも十分ですけど、輸入肉の場合は脂みが少なく、あっさりしていますので、日本人の味覚に合わせるようソースの工夫も大事なポイントになるのです」(調理担当池田重喜さん)
ソースはしょう油をベースとしてオロシ大根やガーリック、ワインなどがブレンドされている。しょう油が強いやや辛口のソースという感じもするが、体調によってはソースの強さが食欲を喚起するということもある。要はステーキにかけるソースの量を加減すればいいということである。
店の営業形態は、午前11時から午後2時までがランチタイム、午後3時から10時30分までがディナータイムになっている。
メニュー構成は、基本の定番メニューにおいてはそう変りはないが、ランチタイムには看板メニューのサービスステーキ(ヒレ肉一三〇㌘)九八〇円をはじめ、一五〇〇円のヒレステーキ(一三〇㌘)、同ロースステーキ(一五〇㌘)ほか、ヒレ、ロースの一ポンド(四五〇㌘)ステーキ(各三五〇〇円、三〇〇〇円)などがあり、胃袋とフトコロ具合で、好みのステーキをチョイスすることができる。
ステーキには基本的にはご飯(パン)・スープ・サラダが付き、ステーキ以外はすべてお替り自由。
ディナータイムには、グラスワイン付きのセットメニュー(ヒレステーキ一三〇㌘、ライス、スープ、サラダ、コーヒー)一九八〇円、コースメニュー(オードブル、ヒレステーキ一六〇㌘、ライスかパン、サラダ、スープ、デザート、コーヒー付き)三〇〇〇円などをラインアップしており、利用動機に応じてステーキメニューをオーダーすることができる。
オードブルはドイツ人のマイスターが作るハム、ソーセージなど。アルコールもワイン、ビール、ウイスキー、日本酒、サワー類を揃えている。
客層はサラリーマン、OLを中心として、休日には家族連れが増える。客単価は昼一〇〇〇円前後、夜一五〇〇~一六〇〇円。
〇住 所 東京都中央区銀座八‐五ギンザナイン三号館
〇電 話 03・3572・8787
〇営業時間 午前11時~午後10時30分(無休)
(しま・こうたつ)