市場規模2000億円そば・うどん 課題はマンネリからの脱皮、保守意識の改革を

1992.12.21 18号 1面

(財)外食産業総合調査研究センターの推計によると、そば・うどんの市場規模は九一度売上げで約九〇〇〇億円と報告(平成4年4月)とされている。外食全体の市場規模は約二六兆円(推計)としているので、全体比三%のウエイトになる。

この規模が大きいか、小さいかはここでは論じないが、前年(九〇年)比三・五%の落ち込みで、そばのマーケットは減少傾向という結果もレポートしている。

食糧庁(加工食品課)のデータでも、一世帯当たりの食数は五・七食(ゆで麺換算)で、この食数は減少気味とみている。

この背景は外食行動の多様性、麺類メニューの豊富さなどによって、消費者のし好、ニーズが多面的に拡大し、それによる減少傾向とみることができるが、しかし、もう一つには市場戦略の弱さ、店舗オペレーションの後進性なども大きな要素として考えられる。

東京都内だけでもそば店は六〇〇〇店あるとされているが、店舗施設の老朽化と店主の高齢化による廃業、あるいは伝統に甘んじた保守色と店舗運営のマンネリ化といった問題があり、この点でも業態としての精彩を欠き、消費者にインパクトを与えない面もあるのである。

多くの店は昭和30年、40年代に創業している。初代の時代は高度経済成長期で市場も拡大の一途であったが、現在は高度成熟化に加えてバブルがハジケての不況の時代である。

努力しないとモノ、サービスが売れなくなっている。施設、業態に魅力がなくては息子も家業を継がないということになってしまう。現にそういう問題もあって、せっかくののれんも廃業というケースも出てきている。

業態としての生き残り、店舗運営の効率化、収益力の向上、消費者ニーズの対応という意味でも、経営者の意識改革で業界を活性化する必要があるといえるのである。

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