飲食トレンド:ネットで外食届けます「トットコドットコム」
インターネットを使って商品やサービスを販売する「eコマース」が本格的に広がりを見せる中、料理の宅配の世界でも、宅配店を集合させ、オンラインで注文を受け付ける宅配専門のサイトが登場した。インターネットという情報のインフラに加え、従来の宅配が持つバイク便の機動性をフルに活用。「即日配達・決済」を武器に、新しい通販ビジネスにも挑戦している。
いま人気絶頂のアイドルユニット「モーニング娘。」が巻頭に登場する宅配専門情報サイト「10105・com(トットコドットコム)」は、このほどのオープン以降、月間のアクセス件数が約二五万件にも上り、若者を中心に多くのユーザーの関心を引きつけた。
現在、宅配可能なエリアは都内の一四区。すし、ピザ、中華、カレー、弁当など一八の宅配チェーン(約一〇〇店舗)が加盟している。ユーザーは自分の居住エリアで店舗を検索し、画面から直接、希望のメニューを注文できる仕組みだ。
受注すると、各宅配店にファックスで注文書が送られる。宅配店は注文金額の五%を手数料として支払う。
このサイトを運営するのは、今年1月設立したばかりのベンチャー、(株)ネットウェイ(東京都中野区)。高田智雄社長は、宅配チェーンからの転身でこの事業を立ち上げた。
このネットサービスと同時に、エリアごとに宅配店を集約した宅配情報マガジン「Tottoco」(トットコ)も発行。6月は都内一四区で約二三三万部をポスティングし、ネットと紙媒体の二本柱の相乗効果で、宅配ユーザーの掘り起こしを狙う。
9月はネット、マガジンとも対象エリアを二三区に拡大し、加盟店もさらに増える見込みだ。
また情報のインフラ提供にとどまらず、「宅配のバイクを生かして物流を持てば、ひとつのビジネスモデルができる」(高田社長)と、自社でも配送拠点を構え、バイク便を使った物流網を確立した。
宅配機能を持たない飲食店のデリバリーや、ビールやコメなど日用品の通販も開始し、「即日宅配・決済」で便利さを売る。
「販促の媒体と、受注センターがあり、届けて決済し、データベースを作る仕組みがある。ウチの事業の目的は、このビジネスモデルを使って商品を動かすこと」(高田社長)
今後はさらに企業との提携を積極的に進め、宅配の商品を増やしていく計画だ。
「Tottoco」(トットコ)など、飲食業の宅配ネットをリードする各社の動きを追った。
(2面に関連記事、3面にインタビュー記事)