飲食トレンド:集客のカギを握る店舗空間の雰囲気、少人数の客を狙え

2001.10.15 238号 1面

さまざまな経済指標が飲食業界の低迷を示している昨今だが、その中でも、多くのお客を集めて繁盛している店は常に存在している。飲食店を繁盛させるための重要なポイントには、商品(料理)やサービス、価格、立地など、さまざまな要素があるが、その中でも近年、特に重要になりつつあるのが、お客のニーズを踏まえた上で、的確な内装デザインや客席レイアウトを演出する店づくりのノウハウであると言えるだろう。

本来、飲食店の客席とは、お客が長時間を過ごす場所であり、店側が提供するコンセプトやサービスの姿勢を打ち出す中心的な要素でありながら、これまでは、多くの経営者が飲食ビジネスを十分に理解していない店舗設計者などにすべてを任せてしまうケースが少なくなかった。

しかし、今日のように、お客の選択基準が日増しに厳しくなっている経営状況下にあっては、競合店に対抗する手段として、商品レベルや接客サービスの充実とともに、それに見合った店舗空間の雰囲気の充実が重要なカギを握るようになってきている。

バブル期のように、巨額な投資をかけた店づくりで高額な客単価の商売を行うのではなく、顧客の飲食ニーズを的確にとらえて、必要な機能が求められている雰囲気を正しく店づくりに反映させるノウハウ技術、そして充実した飲食空間の中でリーズナブルな商品を提供できる運営能力の両面が、現在の飲食店には求められていると言えるのである。

(2面に続く)

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