地域繁盛店(宮崎)テークアウトメニュー編:宮田町コーヒー店

2002.05.20 252号 5面

手作りで三五〇層に折りあげたバターたっぷりのパイを、テークアウトできる店。繁華街のレディースファッションビル内にある同店だが、店の名前からもわかるように、以前は自家焙煎コーヒーの喫茶店を宮田町に構えていた。

「妹が手作りのパイを出したいというので、ひさしを貸したら母屋をとられました」とは、当時のオーナー篠崎和広さんの弁。妹・森豊子さんの作る熱々の料理パイ、デザートパイは、バターの香りとサクサク感が独特で、お客の多くはこれを目的に訪れるようになったという。

平成13年に入り、「もっと気軽に、たくさんの人に食べてもらいたい」と女性ニーズの高いビルの地下へ移転し、テークアウト中心に。ビジネスマンの多い宮田町にありながら女性人気が高かったパイは、これまでの常連客に加え、新たな女性客を獲得している。

テークアウトメニューは、料理パイをメーンとしたセットや、料理パイ、スパゲティ、カレーなどの単品、自家焙煎のエチオピア産モカコーヒー、自家製ケーキ、スイートパイなど。機械折りパイの低価格メニューも加えて手ごろさも演出。冷凍各種料理パイ一二~二四センチメートルもあり、家庭のオーブンで焼きたてを楽しむこともできる。

◆宮田町コーヒー店(宮崎県宮崎市橘通西三‐一〇‐三二、ボンベルタ橘B1F、電話0985・23・1196)

◆ひと言 森豊子店主

手作り料理パイを焼きたての熱々で食べられること、これが最もお客様に喜ばれています。注文を受けてからパイを焼くので、待ち時間は一五分。あらかじめ一五分前に電話で注文をしてから買いにくるお客様が多いですね。

人気のもう一つの理由は、この店ならではの手作りの味、本格派コーヒーの味にあると思います。女性支持が高いパイをメーンとする店としては、買い物途中の女性客が気軽に立ち寄れる場所に移転したのも成功でした。

●愛用食材 明治バター(無塩)

パイ生地のふくらみ方や風味の点で、最も大きな役割を果たしているのがバター。伸ばしてたたんでを何度も繰り返したパイ生地は極薄の層が重なっている。それをオーブンで焼くと、生地の中に含まれたバターの蒸気で層の一枚一枚が離れ、間に空気が入る。いろんなバターを試用した結果「明治バター」に決めたのは生地の層の離れ方がよく、ふわりとふくらんで軟らかくサクッとした歯触りに仕上がったから。以来、長年愛用し続けている。

◆明治乳業(株)/東京都中央区京橋二‐三‐六、電話0120・370・369

◆ランチ(800円)

中央にホウレンソウ、ベーコンやミートなどの具を入れたキッシュパイが、人気の理由。層と層の間に空気をたっぷり含んだ手折りのパイ生地は、バターの香り高く、サックリと歯ごたえがよく、野菜や肉との相性も抜群。サラダと、カレーかスパゲティがセットで、常時注文できる。カレーは、玉ネギ、トマト、チキンなどをベースに、シナモン、グローブなどのスパイスをブレンドしたインディアン風辛口オリジナル。喫茶時代からのファンも多い。

◆サービスセット(1100円)

手作りのパイに、自家製ケーキ、スパゲティかカレー、サラダ、コーヒーがつく。同店の自慢を詰め込んだセットで、「手作りパイも軽食も食べたい、食後にデザートも欲しい」という要望をもつ女性客に好評。パイはチーズパイやポテトグラタンパイ、スパゲティは、野菜とチキンのペペロンチーノやナスのトマトソース、ケーキはチョコレートケーキやリスのパイなど、その日によって種類が替わる。コーヒーは、自家焙煎のモカがつく。

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