焼き肉特集:人気絶好調の名物焼き肉店=焼肉でん
平成3年にレストランの経営を目的に(株)ビストロゼンショクを設立。「富田店」「茨木店」の二店舗でスタートした。ファミリーやグループを対象にした店舗が成功し、9年一〇号店、11年二〇号店、12年四〇号店と急成長。13年には関東圏のロードサイド型三〇店舗をM&Aで取得した。昨年、卸のゼンショクと合併し、社名を(株)ゼンショクに改めた。今期の売上高は卸と合わせて約一二〇億円強。事業規模は焼き肉業界で第五位である。
「関東の店舗を取得した直後にBSE問題が持ち上がった。それまでの間に急拡大してきたこともあり、BSEを契機に一年かけてスリム化とローコストを図った」(大石重巳社長)という同社は損益分岐点をかなり下げる努力をしている。
昨年11月に「道路交通法改正を意識しすぎた」(同)というメニューは、基本に立ち返りシンプルにした。提供する肉はチルドにこだわっている。ローコストの一環で、タッチパネル式のオーダーシステム「メニューくん」を順次導入。オーダーの手間を軽減し、限られたマンアワーをよりきめ細やかなサービスに転化させていく試みを始めている。また従業員にスマイルがあり、モチベーションの高い企業集団を目指している。
◆今後の出店予定
二〇〇店舗に向け新規出店を積極的に行う。「可能なら年間二〇店舗出したい。M&Aも視野に入れている」(同)。不採算店のスクラップも並行して進めるという。
現時点では直営店だけでの展開を基本に、関西地区は神戸、京都、滋賀にドミナント出店していく方針。現在大阪、京都にある食肉工場の稼働率を高める相乗効果も狙う。
関東地区は関西地区と並行して同じ規模で出店を進めていくのが同社の考え。同地区の原料は自社対応ではなくアウトソーシングだが、店舗の増加に合わせて関西地区のように加工センターを自社で新設する計画はない。
◆重点メニューと重点食材
価格帯は基本的に五〇〇円以下のリーズナブルなもの。加えて、五〇〇~一二〇〇円の中で、おいしさを極める「特選和牛」(カルビ一二〇〇円、ロース一二〇〇円、塩ユッケ・ユッケ七八〇円など)を差別化メニューとして提供している。また新メニューとして特別に厳選した和牛ロース(通常一〇〇g一〇〇〇円程度)を盛り合わせた「うまい和牛・まるごとロース」三〇〇g(二~三人前)二〇〇〇円、五〇〇g(三~四人前)三三〇〇円をはじめ、卸でもある同社ならではの厳選素材を提供し“でんファン”を満足させている。アルコール比率は一〇~一五%。
◆売れ筋メニューベスト5
(1)カルビ(450円)(2)上タン(480円)(3)ハラミ(450円)(4)豚トロ(380円)(5)ロース(380円)
◆ストアブランド
焼肉でん/企業名=(株)ゼンショク/本社所在地=大阪府茨木市駅前一‐四‐三〇、電話0726・31・3222/店舗数=六七店舗(直営一〇〇%、別途他業態一〇店)/客単価=二二〇〇円/営業時間=ランチ午前11時~午後3時、ディナー午後5時~午前0時(一部店舗午前2時まで)/平均月商=一〇〇〇万円