食材活用の達人:本格香湯麺「福豊」
スープを中心とする味の改良で売上げを5割以上も伸ばし、月商1000万円の繁盛店に急成長したラーメン店がある。東京は新宿の本格香湯麺「福豊」(ふうふう)だ。このサクセスストーリーを演出したのは、業務用がらスープ、業務用ラーメンスープだった。
福豊は、とんかつ「さぼてん」や事業所給食を手掛けるグリーンハウスフーズグループが、ラーメンチェーン事業の皮切りとして一昨年にオープンしたもの。ラーメン激戦区の新宿にありながら月商一〇〇〇万円にも達する。
現在はグループの中でも有数の優良店舗だが、開店時は当初の予定より売上げが上がらず苦戦した。
店のテコ入れを任された、(株)ジー・エイチ・エフ・マネジメントの麻生真介スーパーバイザーは、かつて大手ラーメンチェーンを育成した経験をもとに、売上げ低迷の原因は「おしゃれな店を意識し過ぎたラーメンのコンセプトにある」と分析した。具体的な問題点として、(1)塩味と醤油味だけ(2)チャーシューが無い(3)洋風のイメージ(4)スープにクセがありすぎる(5)作る人によって味のブレが出る(6)八〇〇~九〇〇円と高い、などを挙げた。
問題解決の第一は、リピーター獲得の絶対条件である「最後までおいしく飲めるスープ」の開発であった。
そこで着目したのが平和食品工業の「中華がらスープ(澄)」だ。
「あらゆる業務用がらスープを試して決定しました。サッパリとして麺となじみやすく、たれとの相性が良く、濃縮パウチなので味にブレが無い。補強に最適です」と麻生さんは絶賛する。
「スープを最後まで飲んでもらうためにスープは少なめにしている」というが、それでも、一日に一六〇リットルのがらスープを作り、補強として一〇袋近い「中華がらスープ(澄)」を投入している。メーカーとしては福豊に足を向けて眠れないだろう。
スープ以外にも、これまでのイメージを払拭するために、メニュー名や器をオーソドックスに改善。味噌味やピリ辛味を加え、価格も六〇〇円台に引き下げた。
こうしたラーメン店の王道をいく正統派オペレーションが奏功し、開店から約一年半で売上げは五割以上もアップ。月商一〇〇〇万円を誇るまでに成長した。
「冬には豆乳を使ったヘルシーなラーメン、夏場はさっぱり味のつけ麺など、今後も『中華がらスープ(澄)』を活用して新しいメニューを提案したい」と言う麻生さん。主張し過ぎず、どんなたれにも合うこの製品があれば、ラーメンのメニュー開発は自由自在といえそうだ。
◆本格香湯麺「福豊」(東京都新宿区西新宿一‐一、小田急エース南館内、電話03・5322・6212)営業時間=午前11時~午後11時、不定休/坪数席数=二七坪三七席/客単価=八〇〇円
◆食材紹介:平和食品工業「中華がらスープ(澄)」
生がら、野菜などを長時間じっくりと煮込み、澄んだ状態をそのまま濃縮パック。多目的な本格的がらスープベース。仕込み時間を省くとともに幅広く使える。製品規格=一キログラムパウチ×一〇袋
▽問い合わせ=平和食品工業(株)(東京都世田谷区、電話03・5752・5211)