ヨロズヤ、土壌菌利用した生ゴミ処理システム 離島などから引き合い
(株)ヨロズヤ(静岡県三島市、電話055・972・7777)は、完全自然循環型の生ゴミ処理システム「トラッシュ」の全国規模での販拡を目指しているが、ゴミ処理施設のない離島からの引き合いも多いなど注目されている。処理施設のない離島では通常、収集したゴミを本土まで輸送して処理しているため、コストがかさんで行政費用を圧迫しているのが現状だ。同社は「“生ゴミは土に戻す”という考えとメンテナンスの簡便さが注目され、現在、テスト的に沖縄県西表島に三台設置されている。今後も継続的に離島を抱える自治体に向けて積極的にPRしていく」(松本俊実取締役顧問)という。
同機(写真)は本体を土中に埋め、分別した生ゴミを投入するだけの「ゴミ箱感覚」で使用が可能。バイオの分解脱臭作用で悪臭・不快害虫の発生を防止し、二次公害の心配もない。専用の分解促進剤と土中温度の安定が生ゴミの分解発酵を促進し、処理後にはコンポスト化が可能だ。機械式とは異なり故障がなく、特殊配合プラスチック材の使用で高い耐久性を誇り、無駄な光熱費を削減できる。一日の処理能力は三〇~八〇キログラムで、マイナス二〇度C以下の寒冷地でも浄化・分解効果に変化はほとんどない。設置工事は一日で済み、約一坪のスペースがあればどこでも使用できる。
同システムは「捨てる」を「生かす」発想で、同社と(株)中部オリオン、(株)松本微生物研究所が共同開発した。現在は長野県や静岡県の宿泊施設やレストラン、学校を中心に九〇〇台以上の導入実績がある。廃棄物の再資源化や循環型社会構築の観点からみて、生ゴミ処理機の社会的意義は大きい。「ユーザーのニーズに合わせて提案を行っているが、まずは製品の認知度を広めたいのでリースでの展開も視野に入れている」(同)という。同社は随時販売代理店を募集しているが、詳細は同社まで。
〈仕様〉サイズ(土中部分)=高さ二六〇〇ミリメートル×幅一七〇〇ミリメートル/本体価格=一五〇万円から/設置費=二〇万円/ランニングコスト=毎月四〇〇〇円