百花繚乱!立ち食いそば:「田舎そば」特製かき揚げ+もりそば
東京は目黒区、日本最初のアーケード商店街・武蔵小山パルム。飲食店の競合が絶えないこの地で、35年間にわたり人気が続く、立ち食いそばの名店「田舎そば」を紹介する。
この店は、牛丼とハンバーガーによって立ち食いそば市場全体が右下がりになった3年ほど前に一念発起。店舗を改装し、品質からメニューラインアップまで、すべてを見直した。何件もの業者を渡り歩き、高級そば店向けの製麺と節を採用、かえしは3週間寝かしに変更した。
老舗も驚くこだわりようだが、冷やし系のメニューを食べれば、その答えはすぐにわかる。注文後にゆでてから冷水で締めたばかりの麺は、コシと風味が抜群。そば通をうならせる逸品である。
合間に繁盛店へ出かけて新メニューのヒントを拾うという店主。研究成果の一つだという特製かき揚げは、驚きの厚さ10cm以上。直径と高さが同じなので、まるでげんこつのような見た目だ。注文後に揚げるこのかき揚げは、サクッと軽い食感。サクラエビの香ばしさをかき分けた中には、食感が楽しいゲソがたくさん隠れている。
立ち食いそば店では珍しい6人席を備え、週末には家族客やカップル、マニアが多く訪れているという。
◆「田舎そば」(東京都品川区小山3‐19‐12)営業時間=午前7時~午前1時
◆青木剛理=立ち食いそばの発展・認知高揚を目的に、ホームページ「立ち食いそば紀行」(首都圏の立ち食いそば店ランキングなど/http://www.gori.sh)を主催運営。当連載は約800軒強の食べ歩き実績から超必見店を紹介。