三菱化学フーズ、カラメル色素製剤「TCブラウニング」で低温でも自然な焼き色

2006.06.05 315号 6面

三菱化学フーズ(株)(東京都中央区、電話03・3563・1514)の食品添加物、カラメル色素製剤「テクノカラーブラウニング」(TCブラウニング)は、ブドウ糖に特殊加工を施すことで60度C程度の低温で、食品に自然な「焼き色」が付けられる。低温で食品中のアミノ酸とメイラード反応を起こすため、スチーム加工や電子レンジで調理される際にもオーブン料理と同様な焼き色を施すことができる。

低温で焼き色が付けられるので、再加熱による食品の劣化を最小限に抑えられ、製造現場でのエネルギーコストの削減にもつながる。今後は、水に溶かした製剤をデザートやクッキー、揚げ物にスプレーすることで直接食品に焼き色を付け、目で楽しむおいしさを提案していく。

TCブラウニングは主に、粉チーズに製剤を1~3%混ぜてグラタンやドリアなどの冷凍食品の表面をきつね色に仕上げるといった用途で使用されている。

水に溶かして直接食品にスプレー噴霧し、電子レンジやオーブントースターで加熱することにより、ギョウザ、蒸しケーキ、水産練り製品、コロッケ、焼き鶏などに焼き色も付けられる。通常電子レンジでは加熱はできるが、焼き色は付かない。オーブントースターでも5分程度では低温で焼き色が付きづらい。

焼き色を付けたい面だけに噴霧するので製品に練り込むよりも効率が良い。加熱・殺菌工程を経た最終工程で焼き色を付けるための時間短縮ができる。加工工程で熱をかけすぎないので食品に負荷がかからず、家庭での二次加工の際に状態が良いまま届けられる。

「調理や殺菌は通常の加工工程と同様なので、生焼けで焼き色だけ付いてしまう心配はまったくない」(同社東部販売1部吉岡主任)

従来品では、キシロース(糖類)で焼き色を付けていたが、低温では難しかった。また、糖類なので甘味度が60~70度と高く、甘みの不要な食品には向かなかった。同品は甘味度が30度程度で甘みが必要ない冷凍食品や惣菜にも最適だ。

加工食品以外にも、菓子・デザートや外食の焼き物料理にスプレー噴霧して提供することで、サクサク感や焼きたて感を付与できる。上市以来1年が経過するが、冷食以外にも潜在需要がありそうな分野に展開している。

※メイラード反応=還元糖とアミノ化合物(アミノ酸、ペプチドおよびタンパク質)を加熱したときなどに見られる、褐色物質(メラノイジン)を生み出す反応のこと。反応は加熱によって短時間で進行させられる。

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