関西版:神戸物産、1号店「神戸クックワールドビュッフェ」軌道に

2006.09.04 318号 8面

業務用C&Cとしては驚異の416店舗展開(8月6日現在)を誇る「業務スーパー」の(株)神戸物産(兵庫県加古川市、電話0794・25・8171)が外食事業に乗り出した。FC展開で巨大化に成功した業務スーパーに輪を掛けて、外食部門の神戸クック事業部では、4業態で4年間にFC1000店舗展開の積極的な新規出店計画を打ち出している。

4月に兵庫県加古川市内に第1号店としてオープンした「神戸クックワールドビュッフェ」は、業務スーパーにある食材を生かしたビュッフェスタイルのレストラン。入口で目に付くのは、ガラスの向こうに見えるデザートテーブル。ケーキを手作りする様子がメーンターゲットの主婦層に人気だという。

オープンキッチンでは窯焼きピザ、ゆであげパスタ、揚げたて天ぷら、ふわふわお好み焼きなど視覚と嗅覚で客の食欲をそそるメニューが並ぶ。珍しいところではベトナムフォーやメキシカントルティーヤ、トムヤムクン鍋など世界各国の料理でトレンドも意識した。

他のビュッフェスタイルレストランとの差別化戦略は、サラダやフライ物を中心にしたデリ部門の確立。店内で食べられるものを「1g=1円」でお持ち帰り用に販売している。

美容と健康に良いとされる黒ごま、豆乳、唐辛子、ショウガ、黒酢などを多用し、「スローフードを意識した」というコンセプトは、スローフード本来の意味合いだけでなく、760平方メートルの店内に260席だけという空間を広く取ったことにも象徴されている。プラス150席を配しても十分なスペースは、隣席との間隔の広さが実感でき、時間制限もないのでゆったりと食事ができる。

オープン当初に設けていた時間制限は、できたて料理への競争心をあおるだけでなく、各自が一気に皿に取ってしまうので食べ残しも多かった。時間を無制限にし、くつろぎ重視にしたことで「今食べる分だけ」「できたてを少しずつ」と来店客に余裕が生まれ、現在のロス率は0・5%。

カフェ風ビュッフェスタイルの店舗立地はロードサイドが基本で、女性が運転しやすいように主要幹線道路から1本入った車の少ない二等地。駐車がしやすいように広くパーキングスペースを設けている。

FC運営をする上でポイントになるのは、同社が得意とする完全システム化と効率のいいオペレーションで、外食事業経験のないオーナーにも出店しやすい環境を整えている。食材はすべて本部から一括納入し、オール電化のキッチンで数値管理を行い、「調理」ではなく「作業」レベルの工程でマニュアル化している。

デザートメニューの強化も、レストランの課題であるアイドルタイムを作らないための秘策。

来店客は平日500人、土・日・祝は1000人、売上げは約2000万円、目標利益率は15%。年内にワールドビュッフェを2店出店し、来年以降は1ヵ月に4店舗出店させる計画。

ランチタイム(午前11時~午後4時59分)は男性1180円、女性980円、小学生680円、キッズ480円。ディナータイム(午後5時~11時30分)は男性1480円、女性1180円、小学生880円、キッズ580円。

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