関西版:「抹茶稲庭うどん」が好評 キンレイ運営の「かごの屋」

2007.09.03 332号 10面

(株)キンレイ(大阪市中央区、電話06・6203・6180)が開発し、販売シェア100%を誇る冷凍鍋焼きうどん。ガスコンロに置き火を付けて数分待てば、だしが染み込むコシのあるうどんができると、団塊世代を中心に支持されてきた。そのキンレイが運営する「かごの屋」は、93年のオープン以来、大阪、兵庫、京都のロードサイドを中心に、和食しゃぶしゃぶレストランとして出店を進めてきた。

特徴は、掘りごたつ風テーブルを配するゆったりとした空間で味わうこだわり素材を用いた3世代対応型の豊富な和食メニュー。午後4時までのランチタイムは主婦客とサラリーマンが中心で、土・日もオーダーできる「日替り昼膳」が人気。ディナータイムは、厚さ3cmのオージービーフステーキやしゃぶしゃぶ食べ放題、旬の野菜をふんだんに使った一品や寿司、お子さま用の「わらべ膳」など、幅広いメニューで家族連れのお腹を満たす。

最近人気の品は、ツルッとのど越しが良く、歯応えが抜群の「稲庭うどん」。稲庭うどん付きの定食はもちろん、野菜が16種類のった「サラダ稲庭うどん」や、ピリ辛の「冷し稲庭担々麺」など変わりダネも好評だ。母体が冷凍うどんのパイオニアであるキンレイと考えれば、うなずけるところ。

さらに今夏は、茶葉一番茶・石臼びきの宇治抹茶を稲庭うどんに練り込んだアレンジ麺も登場した。ほのかな抹茶の香りとモチッとした食感の「抹茶稲庭うどん」は、メカブと白ネギの薬味が絶妙に合い、より上品な味わいと、熟年マダム層も舌鼓を打っているという。

天ぷら、煮物、茶碗蒸し、サバ押し寿司が付いた「抹茶稲庭うどん涼風膳」と、天ぷら握り寿司、茶碗蒸しがセットになった「抹茶稲庭とにぎりすし定食」など定食内での提供だったが、かごの屋枚方市役所前店では、「裏メニューとして常連の間で密かなブームを呼んでいる」(松浦修店長)と、たびたび単品のオーダーが入る。

この好機を逃すまいと全店で実施中なのは、お持ち帰り用「かごの屋抹茶稲庭風うどん(3食入り)」の店頭販売。「おいしかったから」と、食後にお土産として購入するお客も多いそうだ。

一風変わった麺類が誕生するのは、冷凍うどんの自社工場を持つ強みと、昨年発足した付加価値麺開発プロジェクト。大阪ガスの子会社だったキンレイは、一年半前に親会社が移り体制も変わった。社内で「キンレイ」をブランド化する動きが起こり、食品事業部と外食事業部が意見を交換し、「五穀稲庭うどん」や「抹茶稲庭うどん」などのヒット商品を開発した。

外食ニーズを吸い上げたトレンド性に加え、「冷凍うどんは瞬間冷凍するため保存料無添加。安心・安全体制が問われる中で、品質は保証されている」(中川晃成取締役外食事業カンパニーCEO)と、原料に敏感な消費者にも安心だ。

現在、かごの屋は関西に52店舗、05年に進出した関東に9店舗を構える。この8月には外食部門の東京オフィスを配し、首都圏への出店を加速する考えだ。09年度には関東で20~30店舗の展開、中期計画で関東50店舗と東海進出を目指している。

◆かごの屋枚方市役所前店(大阪府枚方市大垣内町1‐4‐10、電話072・861・1155)営業時間=ランチ午前11時~午後4時、ディナー4時~午前0時/席数=33テーブル・140席/平均来客数=昼200人・夜100人/目標月商=1800万円/目標年商=2億2000万円/人気メニュー=日替り昼膳(819円)、サラダ稲庭うどん(1029円)、夏遊膳(2499円)、焼きしゃぶしゃぶ食べ放題(3045円)など。*価格は関西圏のもの。

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