宅配サービスの注目株(3)銀のさら 鹿鳴館

2007.10.01 334号 5面

宅配寿司チェーンの最大手「銀のさら」を手掛ける(株)レストラン・エクスプレスは、宅配創作寿司「鹿鳴館」のストアブランドを新たに立ち上げ、銀のさら既存店との複合店化に乗り出す。このほどオープンした1号店の東尾久店(東京都荒川区)で展開モデルを構築し、来年初旬からの順次導入を目指す。

鹿鳴館は、女性を意識した明るいイメージの創作寿司が売り物。カラフル素材を多用したケーキのような繊細な見栄えと、前例にとらわれないおいしさ第一の味わいが特徴だ。メニュー構成は、アウトサイドロール、タルト寿司、手まり寿司、押し寿司を主力とし、白色の寿司おけに盛り付けて宅配する。また、ブランドの独立を図るため、メニューチラシや注文受付の電話番号も新たに設けている。

「銀のさらの平均月商が約600万円。鹿鳴館の複合店化で200万円の上乗せを狙う」とは竹山覚ブランド戦略部長。「重厚な銀のさらとはまったく逆のカジュアル志向で新規層の開拓を推進する」と意欲的だ。

複合店化での追加投資は300~400万円を想定。食材の流用率は7~8割。客単価は3900円。また、盛り付けが繊細なので調理時間は従来よりも多少かかるが、調理難易度と食材原価が引き下がるため、利益率は銀のさらの上を目指すという。

銀のさらは、テコ入れ策の先発として釜飯「釜寅」の複合店化を打ち出しているが、25坪以上の店舗面積を要するため、小規模店舗での導入が難しく、現在、導入は284店中69店にとどめている。小規模店舗でも展開可能な鹿鳴館のブランド化によって、単体店と複合店の効率的なすみわけを加速させる方針だ。

◆「鹿鳴館」/所在地=東京都荒川区東尾久4─14─11、電話03・5692・5355

◆「(株)レストラン・エクスプレス」/所在地=東京都港区三田3─5─27、電話03・5444・3612

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