低コストにこだわる必勝居酒屋メニュー(その11)ナス

2007.10.01 334号 19面

夏野菜の代表格であるナスは8~9月が最盛期で、味もこの時期が一番であるうえコストも安い。おつまみ用素材としてもきわめて応用範囲が広く、ポピュラーな定番メニューも多い。

ナスは油脂類との相性が抜群によく、本来は淡泊な味が、油脂のコクによってガラリと変身するのが持ち味。しぎ焼きや漬け物など和風のサッパリ感もよいが、油を使った洋風メニューも工夫したいところだ。なかでも中近東からスペインにかけての地中海一帯はナスの栽培が盛んで料理の種類も多いので、簡単なアレンジによって居酒屋向きメニューが作れるはずだ。

また、ナスは女性が好む野菜という特性もあるので、味付けや食べ方なども女性にミートする設計を考えると人気になりやすい。他素材との組み合わせではチーズやベーコン、ひき肉、トマト、ニンニクなどとのなじみがよく、ナスのおいしさを倍加してくれる。

目先を変えたいのなら、少し変わった品種を使うのも一法。しぎ焼きにしても九州で一般的な長ナスを1本丸のままの形で提供すればビジュアルがガラリと変わって特徴メニューになる。長崎長、久留米長、博多長などが知られているが、なかには40cmを超えるものもあるので、その長さを生かしたメニューにすると面白い。浅漬用として人気の高い水ナスも、生のままサラダ仕立てにすれば新しい味のメニューになるし、新顔では色の白い白ナスや緑色の青ナスなども使ってみたい素材で、お客の興味を引くことうけあいだ。

◇ナスの揚げだしチーズ

■参考原価=76円

■使用食材(1人前)

ナス(75g)ゴーダチーズ(5mmスライス30g)シシトウ(2本)大根おろし(15g)おろしショウガ(4g)そばつゆ(100ml)薄力粉(適宜)天衣(適宜)サラダ油(揚げ用適宜) ■調理法

(1)ナスはヘタを取り、横半分に切り、切れ目を入れて開く。

(2)切れ目に薄力粉をまぶし、ゴーダチーズを挟む。

(3)全体に薄力粉をまぶし、余分な粉をはたき、天衣を付けてサラダ油で揚げる。

(4)シシトウも一緒に素揚げする。

(5)そばつゆを温める。

(6)器にナスを盛り、そばつゆを張り、大根おろし、おろしショウガ、シシトウを添える。

■メニュー開発のコンセプト

チーズを使うことでコクとうまみを倍加させ、若者向きの設計に。さっぱりしながらもリッチな味わいのある熱々料理。

■応用のヒント

そばつゆを片栗粉でつなぎ、あんかけ風にするのもよい。

◇ナスとガーリックのオリーブ油炒め

■参考原価=98円

■使用食材(1人前)

ナス(1.5cm角60g)ニンニク(スライス10g)セミドライトマト(きざみ5g)ホールトマト(きざみ40g)アンチョビ(3g)グリーンアスパラ(ボイル1本)ニンジン(スライス20g)赤・黄パプリカ(串型各8g)バゲット(スライス4枚)オリーブ油(30ml)バルサミコ酢(3ml)白ワイン(15ml)パルミジャーノチーズ(おろし3g)塩・コショウ(各適宜)

■調理法

(1)オリーブ油でニンニクを炒め、軽く色がついたらナスを加えて炒める。

(2)すり潰したアンチョビを加える。

(3)白ワインを振り入れ、セミドライトマトとホールトマトを加える。

(4)塩、コショウ、バルサミコ酢で調味する。

(5)器に炒めたものを入れ、パルミジャーノチーズをかけて、軽く焦げ目が付くまで焼く。

(6)皿に(5)を盛り、バケットと野菜類を添える。

■メニュー開発のコンセプト

ガーリックを効かせた多めのオリーブ油で炒めたナスのうまみが特徴のイタリア風料理。パンや野菜と共に食べる女性向けおつまみメニュー。

■応用のヒント

とろりと溶けるモッツァレラチーズでも変化があってよい。

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