食品メーカー開発奮闘記(11) ケンコーマヨネーズ、FDFに高い評価

1993.10.04 37号 22面

業務用のマヨネーズ、ドレッシング類、ソース類の製造販売を目的に昭和33年に誕生したのがケンコーマヨネーズ㈱。

昭和50年代の外食産業の大きな発展に伴い、同社の業績も飛躍的に拡大してきているが、昨年は百貨店、スーパーなど、いわゆる“中食市場”に対応させた新しい新製品開発なども功を奏して、売上高で毎年二ケタ台で推移するなど好調。

ちなみに、今期決算では売上高三七五億円(前期比一〇%増)、経常利益一二億円(同一三%増)を計画している。(内訳‐調理食品四一%、マヨネーズ・ドレッシング三二%、タマゴ加工品二二%、冷凍食品、その他五%)。

ところで、業務用における商品開発だが、大きく分類して①マヨネーズ類②ドレッシング類③チルドドレッシング類④グルメソース⑤ファッションデリカフーズ⑥惣菜市場⑦タマゴ加工食品⑧冷凍食品⑨海藻サラダと九つのジャンルに分けられているが、このなかでも調理加工食品、ファッションデリカ(FDF)シリーズ商品群は同社が長年にわたって培ってきたノウハウをフルに生かし、季節、衛生、保存性、コスト、加工の手間といったすべての条件を満足させた商品として外食ユーザー筋では、高い評価を受けるとともにヒット商品となっている。

特に昨今のヘルシー志向を反映、ジャガイモ、ゴボウをベースとしたポテトサラダ、ゴボウサラダはこの典型。

また、ヒジキ煮、筑前煮、切り干し大根煮、きんぴらゴボウといった各種惣菜品、それにボイルエッグ、厚焼きたまごなどのタマゴ加工品なども弁当、居酒屋ルートなどを中心に人気は高い。

さらに冷凍食品についても手作り風コロッケ、同・H(日もちタイプ)、スティックコロッケ、ポテトドッグ、たこ焼き、チキンキャバブ、焼そばとアイテムの拡充が図られている。

ところで、昨今は食品メーカーにおいても外食市場、業務用商品の拡売については商品の強化とともにメニュー提案など不可決だが、この面では同社は昭和61年に横浜をスタートに札幌、仙台、静岡、大阪、福岡といった全国主要都市でケンコーフェアを開催、売れ筋商品、メニュー提案を行うとともに、業務用専門メーカー、ケンコーマヨネーズの認知度アップにも大きく寄与したが、今年9月30日には東京・新宿の新宿住友ビル二三階に東京本社を開設するとともに、ここではショールームとテストキッチンを使っての商品紹介、業種別最新メニューの提案コーナーなど設けている。

一方、メーカーとしての今後の基本的な取組み姿勢としては、直営七工場、グループ一一生産体制、拠点の充実を図るなかで、既存商品のリニューアルと併行して新商品の開発など積極的に進めていく方針。

いずれにしても、惣菜は百貨店、スーパーの惣菜コーナー、パンは大手ベーカリー、ウインドベーカリー、一般外食はホテル、レストラン、ファーストフード、給食では産業給食、学校給食、小売でも百貨店、専門店などのデリカテッセンコーナー、スーパーと幅広い業種・業態をターゲットとしているだけに、今後も高い成長が見込める企業。

《会社メモ》 ▽ケンコーマヨネーズ㈱▽本社‐神戸市灘区都通三‐三‐一六、℡078・871・0051

▽代表者‐松生睦

▽主要業務用商品‐マヨネーズ類、ドレッシング類、チルドドレッシング、グルメソース、ファッションデリカフーズ、タマゴ加工品、冷凍食品、海藻サラダ、惣菜品。

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