絶対失敗しないための立地戦略(31) データ重ね合わせで立体的に

1994.02.07 45号 19面

住宅地図などを基にした詳細地図上に、ゾーニング・マップができあがったら、次に行う作業は、これをさらに理解し易くするために、縮尺の異なるせいぜいA3判程度のものへ縮小して転写させるとよい。

こうすることにより、より自店またはその予定地の置かれている状況がわかり易くなる。

そして、その目的地が、自分の考えていたイメージとどのように異なっていたのかじっくりと見つめ直してみてほしい。

“常識のうそ”とでもいうか、調査し、データにまとめ、縮尺地図上に落としたゾーニング・マップの示すところは、大抵の場合、自分の考えていたイメージとかなり異なる場合が多いのに驚かされるはずである。

さらに、ここで重要な作業の一つは、それまでに行ってきた各種データ集や、競合店調査、通行ボリューム調査、マーケティング・マップ‐‐などの諸データを、同一縮小の一目で判断できるサイズのものにそれぞれまとめ、重ね合わせてみて見ること。

ゾーニング・マップが、これら諸比較データのかっこうのベースになるのである。

このようにして、それぞれのデータを重ね合わせて眺めてみると、単なる数値の羅列や、絵だったものが、実に整然として、目の前に展開されてくるから不思議である。目的地の姿が、いわば立体的なイメージ、全体像として理解できることに気づかされるはずだ。それまでの地味で、苦しい作業の成果が、パズル絵が完成したようにハッキリとわかり、うれしさがこみ上げてくる。

ゾーニング・マップは、いわば仕上げ剤の役目を果たす、たいせつなものである。

これらの作業が終わったら、次に行うことは「適正業種選定表」の作成。

これは、飲食店であれば●喫茶店●中華●焼肉●日本料理●洋食●すし●そば●うどん●バー●ビアホール‐‐といった具合に、飲食業の業種をすべて書き出し、一覧表にしてその業種の適正度をチェック、目的地の立地は、一番なにが適しているのか、それまで自分で調査したデータや数値、マップをもとに、ゾーニング・マップを基にして、自分なりにシミュレーションし、判断し、評価を下す作業。

もちろん、業種は、商業統計などで採用されている大分類でも良いが、できれば、洋食なら●イタリアン●フランス料理●ドイツ料理‐‐などといったように、より細分化したもので行うほうがより望ましい。

別表で示したように、左に業種、上に①立地条件②施設条件③マーケティング④総合評価‐‐という四種の選別フィルター項目を設け次のような評価表示で一覧表にする。

◎‐特に適していると思われる業種

〇‐適していると思われる業種

△‐あまり適していないと思われる業種

×‐不適と思われる業種

もちろん、これは好みでABCDでもよいし、1、2、3、4のような数字の表示でもそれは好みで、判断したものでかまわない。さらに、選別フィルターも自分独自のものを設定してみてもよいだろう。

選定表についての解説は次号で。

マーケティング・コン

サルタント 戸田 光雄

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