ウイング高輪(東京・品川)の繁盛店 つきじ植むら・紅輪、ブランドと機動力

1994.05.02 51号 5面

店舗面積六五坪、客席数七五。「つきじ植むら」といえば、ブランド力のある日本料理店だが、この店は“酒と料理店”としての機能をアピールしており、独自の集客力を発揮している。

店の入口左手にサンプルケースと、赤チョウチンならぬ白チョウチンが掲げられているほか、入口右手には「しゃぶしゃぶ・すきやき食べ放題三〇〇〇円」と大書したPOP広告が掲示してある。

以前のつきじ植むらでは目にしなかった“販促キャンペーン”だが、それだけ現在の消費低迷の状況をシビアに受けとめているということだ。

「単なる食べ放題の店ではなく、料理の質の面でもアピールしていこうということで、価格競争には踏み入れない、“食べ放題の第一人者”になろうという会社の方針で、私どもではその面の商品をいろいろと企画しております」(古賀修店長)

たとえば、食べ放題四〇〇〇円の場合は、先付、刺身、揚物に、上肉、野菜、ラーメンまたは手打ちうどんがセットになったもので、バリエーションに富んでいる。

肉は輸入肉だが、日本人のデリケートな味覚にも十分にフィットした内容だ。肉材については最高級の松阪霜降りも扱っているが、これは八三〇〇円の食べ放題だ。

このほか、三八〇〇円の「特別しゃぶしゃぶコース」も提供している。これは刺身、揚物、ズワイガニ、茶碗蒸し、上牛肉、野菜、食事をセット、これに二〇〇〇円をプラスすれば、生ビールが飲めるというシステムもある。

アルコールは、生ビールから焼酎まで一八〇〇円で飲み放題もラインアップしており、予算や利用目的、客層に対応して、“低価格志向”の多様な商品を提供している。

このため、利用客もファミリー客から会社利用まで様々だが、中心客層は三〇~四〇歳のビジネスマンだ。

月商一九〇〇万円。ウイングでは高成績で、安定して集客力を発揮している店だ。

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