炊き込みご飯お店紹介「ボルドー・セラー」鯛飯には白ワイン

1994.07.18 56号 13面

ワインと炊き込みご飯。一見ミスマッチなこの組み合わせが人気を呼んでいる。東京・南青山の表参道。ワインハウス「ボルドー・セラー」は、ワインに適したメニューを開発することで定評があるが、なかでも「鯛(たい)飯」(一二五〇円、二人前より)が圧倒的な支持を得ている。

この鯛飯は、フレンチ畑出身である同店の柿崎克明グランシェフのオリジナルで、とくに仏の食文化に通じるメニューではない。「ワインを楽しむためには素材、料理法にはこだわらない」という斬新な発想から思いたった。「日本人にはやはり“和の素材”との結論に達した」とご飯の根強い人気を再確認している。

鯛飯の作り方はパエリアに似て、いたって簡単。コメをオリーブオイルで炒め、タイのブイヨンを加えて炊き上げる。コメが粘らないように炊き上げるのがコツ。最後に炭火で焼いたタイを添える。食べる直前、タイをほぐしながらご飯と混ぜ合わせて、仕上げに白ワインとバターのブールブランをかける。

バターの香りが漂いながらあっさりとしたこのメニューに合うワインとして、「リューリ(九〇年)」(四三〇〇円、グラス九〇〇円)、「シャブリ(1ER)」(五〇〇〇円、同一〇〇〇円)など辛口の白ワインが最も注文されている。

このほかにも同店では仏ワインを主力に約一五〇種を揃えており、今後もバーやレストランでは味わえないワインハウスならではのユニークなメニュー開発に取り組んでいくという。

基本コンセプトは「フランスがべースの無国籍料理」。そんな同店のモットーが息づくメニューとして「鴨(かも)の西京焼」(一四五〇円)、「鱧(はも)の切り落とし梅肉ソース」(一五〇〇円)、「紅茶・はちみつ漬の鴨ロースト」(一八〇〇円)などはワインに合う料理のみならず単品としても注目したいところだ。

◆「ボルドー・セラー」=東京都港区南青山、03・5410・4507

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