お店招待席 シャトーレストラン「タイユバン・ロブション」東京・恵比寿

1994.12.19 66号 4面

JR恵比寿駅の近接地に今年10月8日、「恵比寿ガーデンプレイス」がオープンした。

すでにマスコミでも取り上げられ、また本紙(12月5日号)でも紹介しているので、知っている人も多いはずだ。

この施設はサッポロビールの旧恵比寿工場跡地の再開発事業として建設したもので、四〇階建ての超高層オフィスビル「恵比寿ガーデンプレイスタワー」を中心に、「ウエスティンホテル東京」「恵比寿三越」ほか、高層住宅、複合ビアレストラン、和・洋・中の飲食施設、多目的ホール、映画館、フィットネスクラブ、その他から成る複合都市施設だ。

これら施設群の中にあって、「シャトーレストラン」(サッポロビール直営)は世界でも例のない出店形態で、欧米のマスコミや食通家たちからも大きく注目されるところだという(シャトーレストラン(株))

このレストランはフランスの三つ星レストラン「タイユバン」と、「ジョエル・ロブション」を合体させたもので、“世界初の夢のフランス料理店”と形容されるほどに画期的なことであるのだ。

建物は地上三階、地下一階。フランス一八世紀末のルイ一五世王朝様式によるシャトーを再現しており、外から眺めているだけでもフランスに行った気分になる。

フロア構成は一階がフランス文化のエスプリを気軽に味わえる「カフェ・フランセ」(五〇席)と、くつろぎをテーマにした「バー」(二四席)、二階はシャトーレストランの顔となる「メーンダイニング」(六六席)、三階は商談やパーティーにも利用できる個室ダイニング「サロン」(三室=八席・一二席・三〇席)と、地下はレストランで提供する自家製のパンや菓子類を販売するブティックという内容。

「タイユバン」はミシュランのガイドブックで二〇年間、三つ星を維持しているパリの超一流レストランで、料理、サービス、雰囲気の三拍子揃ったレストランとして、世界の要人、リッチマンが利用する。

このため、予約を取るのも一年がかりというくらいで、「タイユバン」で食事をしたいと思えば、予約スケジュールに合わせて旅行するというくらいに、価値のあるレストランだといわれている。

とくに料理を引き立たせる優秀なワインを多くストックしており、日本でもこのすぐれた個性が発揮されている。

「ジョエル・ロブション」はオーナーシェフのジョエル・ロブション(一九四五年4月生まれ=四八歳)が、パリの一流レストランで修業を積んで九四年1月に開業したもので、伝統的なフランス料理を基礎にして、独自の創作料理を付加、現在ではフランス料理の中心的な人物という存在で、“世紀のシェフ”と称されるほどの実力者だ。

シャトーレストランはこの二つの超一流レストランを一体化させたわけで、世界のマスコミや食通家たちが注目するというのもうなずける。

日本での運営形態はタイユバンのオーナーであるジャン・クロード・ヴリナ氏が、サービスとワイン部門、ロブション氏が料理担当という役割で、それぞれの感性と才能をフルに発揮する。

料理はもちろん、前菜、魚、肉料理、デザートまでを揃えており、食材(原価率三五%)は新鮮な魚介類をはじめ、牛肉、野菜、キノコ類などは日本のものを使い、トリュフ、フォアグラなどはフランスから調達する。

ワインはヴリナ氏が厳選したものを三六〇種、一万二〇〇〇本以上をストックしており、料理と一体化したおいしいワインを楽しむことができる。

料金はランチのコース料理が七〇〇〇円から、ディナーのコース料理が一万八〇〇〇円から。日本の会席料理並みの金額で、本物の料理、最高の雰囲気とサービスというぜいたくな内容にしては“安い”という感じだ。

客層はカップルや女性客など日本人が六割、外国人四割というウエート。ランチ、ディナーともに基本的には予約になるが、すでに明年1月いっぱいまではオキュパイの状態だという。

初年度の売上げは年間一〇億円。予想以上の反響なので、目標は十分に達成できるとみている。

(しま・こうたつ)

・所 在 地/東京都目黒区三田一‐一三‐一

・電  話/03・5424・1338

・営業時間/正午~午後9時30分、日曜日定休(ただ

し、カフェ・フランセは営業)

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