注目の繁盛店 「壱発ラーメン」(本店・八王子)7坪の店で月商1400万円も

1995.04.17 74号 16面

ラーメンは日常性が高く、広い。それだけに大きなマーケットを持っている。また、国民食として不況の影響も受けにくい。こうした中、本店(八王子店)は店の大きさがわずか七坪、客席一八席というものの月商で約一四〇〇万円という繁盛ぶりを見せているのがラーメン専門店の「壱発ラーメン」(経営母体=(有)壱発コーポレーション)。

長野県から上京、その後さまざまな職歴を持つオーナーの西澤良一氏が独立して一一年前に開いたのがこのラーメン店。店の由来は「壱(一)からのスタート、商売で壱(一発)当てたいといった願望から」(西澤良一氏)と変わっているが、その人気の秘密は、ほかにはあまり見られないそのユニークなメニューと味、さらにはたとえ「ラーメン一杯でもお客さんと従業員のコミュニケーション、ラーメンと同じその温かい心と心の触れ合いを大切にする」これ以外はないと強調する。

そういえば、ごく普通の店だが一歩店内に入ると「いらっしゃいませ」「お好きなメニューをお知らせ下さい」「スープ、麺のご要望は」「ありがとうございます」の若い従業員の活気に満ちた明るい声がごく自然に返ってくる。

また、ラーメンのおいしさの決め手は麺に始まり、スープ、たれ、この“三味一体”のハーモニーといわれているがこの面ではスープは豚の背骨のみを使用、こくがあっても油っこくない癖のない、さっぱり味(豚骨タイプ)の醤油、味噌の二種類。

さらに、麺は特注(中細、表面が乾いている)、チャーシューも柔らかい豚の肩ロースのみを使用する(八王子店で一日一〇〇キログラム)という品質へのこだわりも見せている。

普通、ラーメン店(FC店)は売上げ原価率は三五%前後といわれているが、四〇%を超えてもお客さんに余分なサービスをしていきたいというのが店のポリシー。

ラーメンは食べてもらうのが一番というだけに、チラシは使わず客の口こみだけで一日、来客数六〇〇~七〇〇人は固い(常連客)というのも頷ける。

今後もラーメン一筋で歩んでいきたいというだけにメニューは他店にないユニークなメニューとトッピングも変わっている。

店の人気メニューは「ネギトロチャーシュー麺」(並一〇五〇円、中一一五〇円、大一二五〇円=味噌は五〇円アップ)。これはネギと品質の良い青森産の山いもを使い丼の回り一杯にチャーシューが並べられたもので値段は高いがボリュームは満点。

他にネギと山いもの「ネギトロラーメン」(並七五〇円、中八五〇円、大九五〇円)、おなかにやさしい、大根おろしをたっぷり使った「大根ラーメン」(並六〇〇円、中七〇〇円、大八〇〇円)も人気メニュー。

メニュー開発では「時代の変化に対応させた新しいトッピングを使うことによって新しいラーメンの味が出せる」とは西澤良一オーナー。

客層は車で遠方から来る家族連れ、ヤングが主力。平均客単価は七八〇円。本店(八王子店)で月商一四〇〇万円だが「相模原店」も同一三〇〇万円とラーメン専門店としては高い売上高。

全体の売上高も今年は昨年12月にオープンした「相模原店」が寄与、三〇%増は確実にクリアできると見込んでいる(営業時間=午前11時~深夜12時30分)。

三店舗と少ないものの券売機、ゆで麺機、洗浄機の導入はスタート時からと早い。なお、人材育成が先決で、人が揃わなければチェーンを拡大しない方針。

◆ラーメン専門店「壱発ラーメン」/経営母体=(有)壱発コーポレーション(本社=東京都八王子市台町一‐一七‐八、長沢コーポ一〇〇号、Tel0426・26・9948)/店舗数=直営店三店舗

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら