注目の繁盛店=喜多方ラーメン「サカモト」シンプルさ貫く
ラーメン屋さんから受けるイメージとして昔から汚れている、油っこいといった言葉が連想される。そのためかおしゃれをした若い女性たちからは、好きなメニューなのに敬遠されていた、というのも事実だ。
こうした中、オープンキッチンを採用したガラス張りの明るい店内で、禁煙の徹底と清潔さに気くばりを見せているのが、新幹線・新横浜駅西口駅前に広がるオフィス街の一角に、一昨年10月にオープンしたラーメン(喜多方)専門店「サカモト」(経営母体=(株)坂本)。
すぐ近くに新横浜の名物になった「ラーメン博物館」がある。平日はオフィス街を中心としてサラリーマン、OLなどが主たる客層だが、土・日には広い駐車場も完備(七〇~八〇台の駐車が可能)しているためか、近郊から車で来る家族連れがメーンとなる。
麺は、会津・喜多方地方に約一〇〇軒はあるという、製麺業者の中でも抜群に腰の強い(有)朝日屋食品製。太くもなく、細くもない中細麺を使っている。
スープは、豚骨と鶏ガラをベースに野菜、昆布、煮干し、鰹節、椎茸を加え、これに専門業者に仕様発注したラーメンスープの素を使うという個性的な味に仕上げている(醤油・味噌の二種類)。
チャーシューは、肉の臭みを抜き柔らかくするための酒とネギの煮汁に一晩漬けておく。「のりラーメン」の海苔は、一枚四円五〇銭のを五枚。「メンマラーメン」のメンマも標準店の約倍の一〇〇gを入れるなど、品質とともにボリュームアップも図っている。
ラーメン店とひと口にいっても、正統派から個性派までさまざま。トッピングもナルト、メンマ、チャーシュー、キヌサヤとシンプルさを貫くこの店は、開店以来売上げで月商六〇〇万円(二四席)と安定している。
一日の来客数は平均三〇〇人前後(平均客単価六五〇円)。昼食のピークは午前11時~午後1時30分。この時間帯に一五〇~一六〇食は出る(営業時間は年中無休で午前11時~午後10時)。
経営母体である(株)坂本は、グループとして建設業、不動産業、カラオケスタジオ(一二店舗)の経営も営んでおり、店舗立地、物件確保では大きなメリットを持っている。このため、スタッフが揃えば新しい店舗展開(現在三店舗)にも力を入れていきたいとしている。
◆ラーメン(喜多方)専門店「サカモト」/経営母体=(株)坂本(本社=横浜市旭区さちが丘四〇、Tel045・391・1666)/店舗数=三店舗(直営)