メニュートレンド:1品で満腹がキホン 社長が仕入れる野菜たっぷり
「四川屋台」は、1989年開業、36年の歴史を持つ。店のすぐ近くにある大学の学生が、在学中はもちろんのこと、社会人になっても通い続け、10年間でなんと2900回来店。3000回を超えても通い続けるつもりとのこと。それほど人をとりこにする「四川屋台」のメニューの中で、ナンバー1、2を競うのが「パーコー担担麺」だ。
「担担麺はラー油で決まる」と、「四川屋台」を経営する峰彰男社長は言う。その言葉通り、同店の担担麺は、こだわりの自家製ラー油を使用。峰社長は、日本における“四川料理の父”と称される陳建民氏が有志らと設立した恵比寿中国料理学院で学び、その後、久田大吉氏の「吉華」の厨房に立ったことも。
「当時、担担麺はまだ知名度が低く、タンメンと勘違いする人もいたりした(笑)。でも、私は担担麺の奥の深さに強く引かれ、もっと研究してメニューとして完成度を高めたいと思いました」。
その後、30歳で「四川屋台」を開業。2フロアの店舗のうち1フロアを担担麺専門店に。トッピングの種類と4ランクの辛さ、汁あり・なし、冷やしなどを組み合わせて、担担麺だけで49バリエーションを創作した。現在は、2フロアとも中華料理の豊富なメニューを提供しているが、専門店時代から引き継がれ、今も人気を集めているのが「パーコー担担麺」だ。
峰社長は、週2~3回、“せり帽”をかぶって青果市場に立ち、東京、横浜、川崎など近場の野菜を手頃な値段で入手。それが「四川屋台のメニューはどれも野菜たっぷり」という評判につながっている。
「コスパとクオリティーがよければ、店は繁盛する」が峰社長の信条。「野菜がたくさん取れて栄養バランスがよく、ギョウザなどの副菜メニューを頼まなくても、1品でお腹いっぱいになる…これが、うちのメニューの基本です」と、2900回通い続けたくなる理由がここにあるのかもしれない。
●店舗情報
「四川屋台」
所在地=東京都大田区北千束3-28-13/開業=1989年/坪数・席数=30坪・60席/営業時間=月水金11時~14時20分、17時~21時30分、火木土日祝11時~14時20分、17時~21時/平均客単価=850円/1日平均集客数=400人(うち弁当150個)
●愛用食材・資材
「カレー」エスビー食品(東京都中央区)
カレー粉といえば、やっぱりコレ
30数種類のスパイスを絶妙な比率でブレンドし、焙煎、熟成などのプロセスを経て製造。「自家製ラー油を使用した担担スープにパンチがあるので、パーコーもカレー粉で風味付けしています。カレー粉といえば、昔からこの“赤缶”が定番ですね」と峰社長。
規格=2kg