注目の繁盛店 新横浜ホテル中国料理レストラン「桂林」 法人客など新規開拓に本腰
新幹線の新横浜駅前、新横浜ホテル八階に一二年前から営業しているのが中国料理レストラン「桂林」(経営母体=(株)新横浜ホテル)。
中国レストランはラーメンなどをメーンとする大衆的な店から飯店クラスの店までメニュー、提供方法、形態などさまざまなバリエーションで構成されている。
ところで、横浜は土地柄、有名な中華街などを控えているためお客の中華料理に対する感覚、味覚は他の地域に比較しても超えている。このため、例えばこの店では家族連れでくるお客さんなどに対しては、年配の方、お父さん、お母さん、そして子供さんとそれぞれに味・嗜好の違いを料理人が読みとる。「注文された料理に対してもメニューの細分化、味のバラエティー化を上手に組み合わせてやる心配りが大切であり気を付けている」(須賀健三調理長)という。
さらに、実際に個々の料理についても「北京ダック」など普通は皮だけを食べるが、ここでは身も使う。もも肉はスープとして提供するなどお客の要望に応える。調味料についても天然フレーバーを中心に上手にとり入れるなどの工夫を凝らしている。
また、景気の低迷が長期比、各飲食店は一部を除いて相変わらず客数の伸び悩みなどが続ている中、この面ではオーナーが新横浜ホテルを兼ねており地元の有志でもあるところから“中華街に行かなくてもリーズナブルでおいしい中華料理が食べられる”を経営のモットーに法人関係から一般客の新規開拓に注力するなど、客の獲得に力を入れたいとしている。
ランチメニューは平均客単価一二〇〇円と変わらないが、景気回復が遅れていることも影響、夜は同二八〇〇円と数年前に比較してやや下がり気味。席数七〇席。
高級飯店と大衆的なラーメン店のいわば中間に位置する店だけに、今後も基本的には地域に密着した飲食店を目ざす中で、中華は日本人には馴染みのメニューであり、料理の味の向上とともに若い調理師を多く預っているだけに「人材の育成にも力をつくしたい」(須賀健三調理長)としている。
周辺部はビジネス街だけに昼のランチ「炒麺類」(やきそば)=八〇〇円、「什景」(五目入り汁そば)=八〇〇円などはサラリーマン、OLに隠れた売れ筋、人気メニュー。鶏、豚肉など整形して脂身を使わない。まとめ作りをしない。野菜類を多く使って具だくさんでヘルシーな点が受けているという。
また、夜はポピュラーなメニューとして野菜系では「干貝白菜」(干貝柱と白菜煮込み)=小皿一六〇〇円、中皿二五〇〇円、「生炒和菜」(五目野菜炒め)=同一六〇〇円、同二五〇〇円、鶏肉系では「腰果鶏丁」(鶏肉角切りカシューナッツ入り炒め)=同一六〇〇円、同二五〇〇円、「油淋軟鶏」(若鶏の唐揚げ薬味ソースかけ)=同一六〇〇円、同二五〇〇円、さらに「青椒牛肉」(牛肉ピーマンの細切り炒め)=同二五〇〇円、同三六〇〇円、「青豆蝦仁」(芝えびのグリーンピース炒め=写真(上))=同二五〇〇円、同三六〇〇円、「白花蟹手」(かにの爪フライ=写真(下))=小盆のみ三〇〇〇円などは店のおすすめとともに人気メニュー。
◆中国料理レストラン「桂林」/経営母体=(株)新横浜ホテル(本社=横浜市港北区新横浜三‐八‐一七、Tel045・471・6011)/店舗数=直営一店舗