アポなし!新業態チェック(106)「シェイク シャック」外苑いちょう並木店

2016.03.07 444号 12面

 ●青山に急成長の米バーガー店 スタバで成功したサザビーとタッグ

 スターバックスコーヒーを日本に広めたサザビーリーグが、米国のハンバーガー店「シェイク シャック」の日本1号店を東京・青山にオープンした。

 同店はニューヨークで生まれ、現在は世界中に70店舗以上を出店している注目のハンバーガー店ブランド。2001年、マディソンスクエアパークで開催された環境関連イベントに出店したホットドッグ屋台が、04年に常設店舗となってハンバーガーを販売し大成功を収めた。

 米シェイクシャック社の現CEOであるランディ・ガルッティ氏と、「グラマシー・タバーン」など、ニューヨークを代表する有名レストランを経営するダニー・マイヤー氏とが協力してつくり上げた同店は、数々の受賞歴を持ち、いまでも行列ができるという人気店である。

 フードメニューは、アンガスビーフ100%の「シャックバーガー」(シングル680円、ダブル980円)や「スモークシャック」(同880円、1180円)などハンバーガー類、「シャックカーゴドッグ」(580円)などのホットドッグ、ユーコンポテトのカットフライのほか、オリジナルアイスクリームの「フローズンカスタード」(カップとコーンで、シングル380円、ダブル530円)がある。ドリンク類は、レモネードやアイスティー、ビール、ワインなど。また「フローズンカスタード」は、トッピングを加えた「コンクリート」や「シェイク」(いずれも、スモール480円、レギュラー650円)などにアレンジも可能だ。

 業界では、スターバックスをビッグに育て上げたサザビー社の手腕に期待が集まっている。

 ★けんじの評価 温かいコーヒーやティーの販売を

 1996年に日本に上陸し、多くのファンを獲得して全国を席巻したスターバックスコーヒーは、一昨年、米本社のTOBにより子会社となってサザビーリーグから独立した。

 サザビーリーグは、「アフタヌーンティー・ティールーム」や「キハチ」などの飲食店を数多く運営しているが、「アガット」「ロンハーマン」「フライングタイガー」のようなファッションや雑貨などで話題のブランドを幅広く展開する企業だ。こうしたファッションのトレンドを捉える感覚の鋭さが、スターバックスを成功に導いた大きな要因の一つであったに違いない。そして同社がスターバックスに代わる次世代の飲食ブランドとして白羽の矢を立てたのが、この「シェイク シャック」ということなのだろう。

 ちなみに、実は同店にはコーヒーのメニューがない。というか、臨店した時点では、温かい飲み物はホットミルクとホットチョコレートしかないということだった。今回の1号店は、神宮外苑のいちょう並木のある歩道に面しているが、屋内よりも屋外のテラスの方がはるかに席数が多い。天気の良い暖かな日であればテラス席は気持ちの良い空間だが、雨天や真冬の時期にはできれば避けたい客席となる。残念ながら、筆者が訪れたのは東京に雪が降り交通がマヒした週末から数日たった平日の夕方だった。屋内席はほぼいっぱいで、テラス席を利用したのだが、さすがに冷たい飲み物を注文する気分にはなれない。ハンバーガーを食べながら、ホットコーヒーが飲みたいと切実に思ったのは久しぶりだ。できれば、温かいコーヒーやティーを販売してほしいと思うのは時代遅れなのだろうか。

 (外食ジャーナリスト・鷲見けんじ)

 ●鷲見けんじ=外食チェーン黎明期から、FFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。顧客の気持ちを外食企業に伝えるべく、甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。朝マックとロイヤルホストのカレーフェアをこよなく愛する外食ウオッチャー。

 ●店舗情報

 「シェイクシャック」外苑いちょう並木店 開業=2015年11月13日/所在地=東京都港区北青山2丁目1-15

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