技あり味なカンパニー:富士ミネラルウォーター 国産プレミアムのブランド力に脚光

2016.04.04 445号 11面
植木宏社長

植木宏社長

「富士プレミアムスパークリングウォーター」

「富士プレミアムスパークリングウォーター」

 「富士ミネラルウォーター」(当時「日本エビアン」)は1929年に日本初のナチュラルミネラルウオーターとして発売されて以来、ホテル・レストランを中心に愛顧されているロングセラーだ。皇室での日用品や日本で過去5回開催されたサミットでは、テーブルウオーターに採用されるなど高いブランド力を誇る。

 創業87年の富士ミネラルウォーター社は、ミネラルウオーター以外にも「ワインビネガー」「保存水」「PETボトル採用」などを日本で初めて発売している。

 その同社が満を持して15年12月に本格的に新発売したのが、国産炭酸水「富士プレミアムスパークリングウォーター」だ。ミネラルウオーターと同じく、富士山頂の雪が40年かけて玄武岩層を経た天然バナジウムを豊富に含む伏流水を使用。「ミネラルウォーター」「保存水」に次ぐ、同社の「第3のウォーター事業の柱」として注力している。

 炭酸水市場は、14年に前年比25%増、市場規模は255億円。植木宏社長は「日本の飲食店も海外のレストラン同様に、ミネラルウオーターと炭酸水を選べる時代が来はじめている。洋食だけでなく、和食店の採用が増えている。当社のブランドイメージ、国産プレミアムというストーリー性がお客さまのニーズにマッチした」と語る。

 また、軟水の炭酸水は子どもも安心して飲め、ウイスキーの割り材に使うとふくよかな味わいになるという。

 14年10月に「ホリス・ワインビネガー」の市販用250mlタイプ、11月にワンウエーボトル「富士ミネラルウォーター(金箔貼りゴールドラベル)」、15年11月には「非常用5年保存水1LPET」と相次いで新発売。新商品効果などで今期(3月決算)は2桁に近い伸びでV字回復を見込む。

 植木社長は製造・物流コストの低減を図る「コストの構造改革」と、ブランドを生かした差異化商品の開発・販売を推進する「売上げの構造改革」と、製造・売上げの両輪の構造改革を進めている。「売上げの構造改革」は、「スモール・ブルーオーシャン戦略」として、「差異性のあるマーケティングを志し、特に料飲マーケットでブランドを生かす」と植木社長は意欲を燃やす。具体的にはワンウエーボトル「ゴールドラベル」の発売により、従来のリターナブルボトルに加えて販路を拡大。また、「富士プレミアムスパークリングウォーター」も好調な出だしで、改革は軌道に乗り始めている。

 ●「富士プレミアムスパークリングウォーター」

 和食に合う軟水炭酸水 ウイスキーの割り材にもマッチ

 ボトルはブルーの色でなで肩の「和」を感じさせるデザイン。規格=300mlワンウェイガラス瓶×24本(常温)

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら

関連ワード: サミット