メニュートレンド:女性客急増! 選べるシビ辛グルメ 具材約50種、辛さ7段階
近年、ますます広がりを見せる“シビ辛”グルメ。大阪でも徐々に増加中なのが“麻辣湯(マーラータン)”を掲げる店である。中でも人気なのが、2016年オープンの、大阪・日本橋にある「無限麻辣湯」。日本人の女性店主による、本場に負けない味が評判を呼び、女性ファンが急増している。
●日本人女性店主が作る“本場の味”
同店の店主、橋本沙絵さんが麻辣湯に出合ったのは、2005年の中国・上海。すぐにその魅力にはまり、現地で暮らしながら、100軒以上の店を食べ歩き、作り方やスパイスを研究して自作をしていたとか。
当時は開業を考えていなかったが、12年に中国人の夫と日本に帰国。大阪に住むことになり、「活気があり、在日中国人が多いこの町なら」と、本気で開業を目指すことに。「本場の味を大事にしつつ、日本人にも合う味」を目指し、さらに研究を重ねて、化学調味料を極力使用しない日本人向けのレシピを開発した。
麻辣湯は、客が好きな具材を選び、店側がスープで煮込んで提供する、鍋料理のイメージに近いスープ料理。同店では、注文方法も、現地流の自由度が高いスタイルを採用。価格は、スープ(330円)+具材1品(110円)=440円~で、麺類とセットしなくてもOK。お財布事情や体調に合わせて、自分だけの麻辣湯が楽しめる。
店内の冷蔵ショーケースには、約50種類の具材を用意。季節の野菜なども取り入れ、多彩な味を提案している。辛さは、辛くない0から激辛の5レベルまでを設定。具材と辛さで“無限”の組み合わせができるというわけだ。
手作りの調味料も同店のこだわりの一つ。味の決め手になる“麻辣ペースト”は、花椒をはじめとする約20種類のスパイスを独自に配合し、じっくりと焙煎。また、“薬膳風味”と“激辛”の2タイプのラー油を製造。辛さレベルに合わせて、スープにこれらをプラスすることで、スパイスの風味豊かで本格的な麻辣湯を生み出している。
在日中国人の来店も多く、「“本場の味”と絶賛してもらえるのが、自信になる」と橋本さん。開業当初は1割程度だった女性客が、現在では5割に増加。薬膳スープのヘルシー感と選べる楽しさが、女性にアピールしているようだ。
12月には、オリジナルの季節限定スープ「豆乳の麻辣湯」を提供し、こちらも好評。また、スープのネット販売も予定しており、「麻辣湯をもっと広げたい」と意欲的に取り組んでいる。
●店舗情報
「無限麻辣湯」 所在地=大阪市浪速区日本橋西1-1-14/開業=2016年7月/坪数・席数=約9坪・13席/営業時間=11時~15時30分、18時~20時30分。火曜休(不定休あり)/平均客単価=1200円/1日平均集客数=90人
●愛用食材
「老騾子 鎮江香醋(黒酢)」 輸入者=友盛貿易(横浜市中区)
優しい酸味&まろやか
テーブルに、好みでプラスする「黒酢」として配置しているのが、中国・江蘇省鎮江市の名産品である本品。中国では麻辣湯のほか、幅広い食事シーンで愛用されている、ポピュラーな商品である。魅力は、やわらかな酸味の、まろやかなおいしさ。購入を希望する声が多く、店内で155ml入り商品の販売も行っている。
規格=550ml
【写真説明】具材10種入り 1,430円(税込み) 価格内訳:スープ330円+(具材110円×10品)
写真は、具材10種の一例。取材時は、豆腐・揚げ麩・豆モヤシ・豆苗・レタス・シメジ・ホウレンソウ・肉そぼろ・スモークチキン・ジャガイモ春雨入り、4辛レベル。※価格は9月14日現在