数字で読み解くフードサービストレンド:コロナ禍の飲食店テイクアウト

2021.09.06 511号 10面

 ●パンケーキや洋菓子が増加

 新型コロナウイルス感染拡大により、テイクアウトが増加しています。エヌピーディー・ジャパンが提供する外食・中食市場情報サービス『CREST』によると、2020年6月~21年5月計の飲食店におけるテイクアウト食機会数(デリバリーは除く)は、コロナの感染拡大前である2年前(18年6月~19年5月)の同期間と比べ、3%増加しました。どんなメニューがテイクアウトで増加したのでしょうか。

 主要なメニューで増加率が高いメニューを見ると、チキンナゲット41%増、丼物・重物37%増、フライドチキン29%増が、増加率トップ3でした。興味深いのは、4位のパンケーキ26%増。テイクアウトでの出現率は0.73%と低いですが、ギョウザの出現率0.69%を超えました。パンケーキといえば、カフェや専門店でイートインするイメージが強いメニューだと思いますが、コロナ禍にテイクアウトで提供する店が増え、カフェ気分を家で味わう消費者が増えたようです。パイなどの洋風焼き菓子も7%増と、飲食店のスイーツが家で食べられることで人気のようです。また、増加率9位のうどんもイートインが多い印象のメニューですが10%増となりました。

 ワクチン接種率が増加し、外食・中食率が回復したアメリカでも、イートインはまだ回復せず、テイクアウト・デリバリーが主な利用形態です。アフターコロナを見据えても、テイクアウトメニューの強化は重要といえるでしょう。

 (エヌピーディー・ジャパン 東さやか)

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