2024年2月度、外食動向調査 フードコンサルティング

2024.05.06 543号 05面

 ●27ヵ月連続増収、4業態のみ前年比下回る

 日本フードサービス協会が発表した外食産業市場動向調査によると、2024年2月度売上げは、前年同月比111.4%となり27ヵ月連続の増加を記録した。

 今年の2月は「うるう年」で29日まであり営業日が1日多かったことに加え、3連休が2回(10~12日、23~25日)あったことから、客数が前年同月比7.4%増と大きく伸び、客単価も3.7%増となり好調な結果となった。

 個別に見ると、前年比を下回った業態は、1月の5業態から4業態(「鈴のれん」「濱かつ」「串カツ田中」「ステーキ宮」)のみとなった。

 ●現場の人手不足にRPOサービス活用も

 前年比推移に記載のあるように、すべてのチェーンで好調な状況が続いているが、それに比例してますます厳しさを増しているのは現場の人手不足である。

 飲食業の人手不足は今に始まったことではないものの、大手チェーンでさえスタッフが集まらないため一部店舗が運営できないことが起きるなど、店舗運営にまで支障をきたす状況となっている。

 もちろん、時給を上げたり、柔軟なシフトを組んだり、パートさんやアルバイトに福利厚生施設の利用を認めたり、シニア人材採用もやったりと、各社各様ながらできることはすべてやっているにもかかわらず、採用できないどころか応募さえない状況が続いている。

 先日、久しぶりにお会いした和食チェーン幹部の話でも、現場スタッフがあまりにも足りないため、人事や総務などの管理本部の正社員にも、時期によっては一時的にシフトに入ってもらうことがあるそうだ。

 この影響や連続勤務時間の制限もあり、人事部門では採用活動に充てる時間まで減らさざるを得ないという、まさに本末転倒的な状況に陥っているとのこと。

 そこで同チェーンでは、採用活動に関する業務の一部を大手人材会社が提供している採用代行サービスの導入を始めたそうだ。

 採用代行サービスは「RPO」と呼ばれ、「Recruitment Process Outsourcing」の略称だが、採用活動の一部を人材会社に委託することで、知人のいる和食チェーンのように、店舗のヘルプも期待される採用担当者の負担を減らしたり、人材会社という採用のプロフェッショナルが有するノウハウを活用することで、採用率改善につなげることを目的としている。

 採用代行サービスで依頼できる業務は、採用計画を一緒に考え企画することから始まり、求人票の作成や求人広告内容のアドバイス、スカウトメールの管理、説明会の開催サポート、内定者に対するフォローなど、採用の計画段階から内定者の管理まで、必要なサービスを依頼することができるものだ。

 知人の和食チェーンでは、大手人材会社に依頼しており、業務量によって毎月50万~100万円程度の利用料が発生していることから、費用面では決して軽い負担ではないものの、採用業務の一部を代行してもらえ、かつ自社のみで採用を行っていた時よりも若干採用率が改善しているとのことで、経営陣もおおむね満足しているそうだ。このRPOサービス、貴社でも一度検討されてみてはいかがだろうか。

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