山本純子のスゴイぜ!業務用冷凍食品(61)味の素冷凍食品「フレック スペシャリテ プチカヌレ」
●カリッとしてもっちり かわいいサイズも注目
「カヌレ」と聞けば、多くの人が焦げ茶色のあの形を思い描けるくらい、今や認知度の高いお菓子。最初は何でこんなに硬いのかと驚いたものでしたが、この外はカリッと歯応えがあり、香ばしく、中がもちっとしているのが真髄だそうで、慣れるとハマります。
フランスの伝統菓子カヌレは、カヌレ・ド・ボルドー、つまり、ボルドーのカヌレ(意味は“溝付き”)。ワインで有名なボルドー地域の女子修道院で、16世紀に作られたのが発祥です。フランス革命以降途絶えていた伝統菓子を現代に復活させ、世に広めたのが有名パティシエのピエール・エルメ氏で、いま、カヌレは日本でも何度目かのブームが来ているとか。
冷凍食品でも既存でいくつかありますが、何か違うと思うこともしばしば。ところが、この秋発売された味の素冷凍食品「フレック スペシャリテ プチカヌレ(フランス産発酵バター使用)」は、小さいながらも外カリッ・中もちの王道。その食感のコントラストが見事で、洋酒風味も抑えていて、誰でも楽しめるおいしさ。
新商品、しかも少々高級品ながらもヒット間違いなし、との予感からご紹介したいと思います。
注目したのは、その本格感。どうやって実現したのかと率直に聞けば、とても苦労があったとの回答。卵リッチな配合の、プリンのように緩めのカヌレ生地は、本来1日以上寝かして安定させる必要があり、さらに焼き加減も難しいお菓子なのだとか。普通の焼き菓子のように作ると、型からはみ出たり焼成途中で爆発したりするらしい。
そこで、「フレック」ブランドが持つ長年の冷凍ケーキ作りのノウハウを結集、詳しくは語ってもらえなかったのですが、配合などの工夫で本格的なカヌレの量産化に成功したのが昨年。実は普通サイズのカヌレは、既に家庭用某ルートの受注生産を行っていて、多くのファンをうならせている商品です。
真相はわからないけど、おいしいからまあいいか、と思わせてくれるかわいいヤツ、でした。
●ここがスゴイ!=あの難しい伝統菓子がついに量産化!
●商品概要
味の素冷凍食品「フレック スペシャリテ プチカヌレ」(フランス産発酵バター使用)
規格=24個入袋(360g)×6