キラリと光る名脇役:「薬味」でおでんの価値を爆上げ

2025.09.01 559号 09面
おでんだけでなく、「スルメイカの姿造り~肝醤油で~」などのサイドメニューでも活躍。そのまま食べて酒のアテにもなる完成度の高さ

おでんだけでなく、「スルメイカの姿造り~肝醤油で~」などのサイドメニューでも活躍。そのまま食べて酒のアテにもなる完成度の高さ

メニューブックに「トリセツ」を掲載してアピール

メニューブックに「トリセツ」を掲載してアピール

容器やラベルを統一するなど、すっきりした見せ方も好感度が高い

容器やラベルを統一するなど、すっきりした見せ方も好感度が高い

 ●お通しと卓上、ダブルの訴求力

 和食ではフグにも匹敵する格の高さを誇る高級魚「ハモ」。このハモからとった“究極の鱧出汁”を武器に大ヒットを飛ばしているおでん酒場が「ちょいおでん」だ。ところが、この品質の高さが業態の弱点になりかねないジレンマとなっていたという。ハモだしの味があまりに上品すぎるため、アルコール注文の促進力に物足りなさを感じていたのだ。

 そうした懸念を払拭させるべく考案したのが、パンチの利いた薬味を揃えて味変の楽しさと酒との相性を高める戦略。

 まず入店時に提供される“お通し”が、いきなりおでんの「薬味」。内容は「ネギ醤油」と「山わさび」で、知名度こそ全国区ではないがネギ醤油は長野・飯田で、山わさびは北海道の内陸部を中心に昔から愛されている郷土の薬味だ。

 そして卓上に揃えられた調味料の数々も圧巻。王道の「練り辛子」にはじまり、「コショウ」や「魚粉」など8種類。「濡れ一味」や「ハリッサ」といった“未知”の調味料まで含まれており、同店の味変への意気込みには舌を巻くしかない。

 保守派にも冒険派にも満足できる薬味のバラエティーが秀逸。おでん種に“ちょい”と付けるだけだから、失敗を恐れず試せる楽しさがある。アルコール売上げも狙い通り好調に推移しているという。

 ●店舗情報

 「ちょいおでん 新宿本店」

 所在地=東京都新宿区西新宿7-3-1 三光パークビル1階

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら

関連ワード: キラリと光る名脇役