メニュートレンド:ピザからパスタ出現 シカゴピザの価値を爆上げ
もはや業態の1ジャンルと言えるほど人気が長年続く「チーズ料理専門店」。さまざまなアイデアメニューが生まれる中、シカゴピザとパスタの融合でさらなる進化を感じさせる料理が話題を呼んでいる。東京・渋谷の「CRAFT CHEESE MARKET 渋谷駅前店」の大ヒット商品「明太子パスタシカゴピザ」を紹介する。
●季節メニューで磨いた開発力
シカゴピザの中に隠されたパスタを取り出すシーンと、ピザをカットして持ち上げた瞬間にチーズソースがトロリと流れ出るシーン。1品で2つの動画映えするクライマックスを作ってM/Z世代の支持を獲得。ディナーのみの提供ながら日販20食を売る大ヒット商品となっている。
店名が示すとおりチーズ料理が主力の同店は、2018年のオープン当初からシカゴピザをオンメニュー。そして21年に“シカゴピザパスタ”を開発した。
「当社は季節限定メニューの開発に力を入れています。最初はオーソドックスなミートソースパスタだったのですが、21年秋頃の限定メニューに『明太子パスタシカゴピザ』を出したところ大ヒット。一躍グランドメニューに昇格したというわけです」と経営母体のGOSSOマーケティング本部長の金谷雅史氏は語る。
麺は北海道産小麦粉100%の太めの生麺をチョイス。チーズソースのトロトロ感とモチモチと心地よい歯ごたえのパスタの組み合わせがクセになる。カリッと香ばしいシカゴピザの部分と交互に食べてもよし、同時に両方ほおばるもよし。楽しさのバラエティーが広がる。
「商品化の難点は調理オペレーションでした」と金谷本部長は振り返る。ピザ生地をオーブンで焼き、パスタをゆで麺機でゆで、豆乳でのばしたモッツァレラチーズを温めて溶かす。チーズソースの伸びがピークとなる温度帯で提供するには、各パーツの仕上がりタイミングを揃えて、一気に盛り付ける必要がある。「調理スタッフが声をかけあってタイミングを合わせています」と金谷本部長は連携強化の大切さを語る。
「M/Z世代はお店選びに“体験”を重視しています」と金谷本部長。同店独自の外食体験をアピールするため、これまでもガーリックシュリンプを組み合わせたり、パスタではなくリゾットにするなど多彩なアイデアのシカゴピザを提案している。今後も「明太子パスタシカゴピザ」を超えるヒット商品を生み出すべく、チャレンジングな開発に意欲的だ。
●店舗情報
「CRAFT CHEESE MARKET 渋谷駅前店」
経営=GOSSO/店舗所在地=東京都渋谷区宇田川町25-4 ダッキープラザB1階/開業=2018年5月/坪数・席数=21.35坪60席/営業時間=平日11時30分~15時30分、16時30分~23時30分、土日祝11時30分~23時30分 無休/平均客単価=昼2000円、夜3000円
●愛用食材・機器
「デンマーク モッツァレラ シュレッド」三祐(東京都大田区)
抜群の「伸び」力を発揮
「明太子パスタシカゴピザ」ほかシカゴピザ・メニューに愛用。チーズの「伸び」に優れ、写真・動画の見栄えが格段に向上。「ビジュアルを主役にする料理に欠かせないチーズ」と開発担当者は絶賛する。
規格=1kg











