ファンくる・モモちゃんのなるほど外食データ:「お冷のセルフサービス」に求められること

2025.12.01 562号 06面
Q.お冷やのセルフサービスに対する印象を教えてください。

Q.お冷やのセルフサービスに対する印象を教えてください。

Q.お冷やがセルフサービスでは嫌だと感じる条件を教えてください。

Q.お冷やがセルフサービスでは嫌だと感じる条件を教えてください。

 ●効率と顧客満足の両立へ

 人手不足や人件費高騰を背景に、多くの飲食店ではオペレーションの効率化が急務となっています。日本では当たり前のお冷の無料サービスにおけるセルフサービス化は、スタッフの負担軽減につながる有効な手段です。しかし、セルフサービス化によって来店客の満足度はどのように変化するのでしょうか。

 今回は、ファンくる会員1018人を対象に飲食店でのお冷のセルフサービスについて調査を実施しました。調査の結果、回答者の約8割が、お冷のセルフサービスを「好き」または「どちらかといえば好き」と肯定的に捉えていることがわかりました。お客がセルフサービスを支持する最大の理由は、「店員に手間をかけず、自分の好きなタイミングで好きな量を注げるから」というもので、自分の裁量で対応できる自由さを望んでいることがうかがえます。

 また、セルフサービスにおいてお客が最も重視するのは“品質と衛生面”です。「コップやピッチャーが清潔であること」や「常に冷たい水であること」を意識すれば、お客の満足度の維持が見込めそうです。

 一方で、セルフサービスへの印象は、お店の業態や利用シーンによって意見が分かれることもわかりました。セルフサービスが好意的に受け入れられるのは、「回転率が高い店舗(ラーメン、ファストフード等)」や「混雑している店舗」など、スピードと効率が重視されるカジュアルな場面に多いようです。

 対照的に不満を感じる場面は、「コース料理や高単価の店舗」「記念日・接待などで利用している時」が上位となり、特別なシーンでは席での丁寧な提供が求められていることがわかります。さらに、「給水機やピッチャーが遠い」「子ども連れや手がふさがっている時」といった、お客の利便性を損なう条件は、セルフサービスに肯定的な層からも不満の声があがる原因となっています。

 つまり、提供方法は一律ではなく、店舗のコンセプトやお客の期待値に合わせた柔軟な切り分けが、顧客満足度を維持する鍵となるのではないでしょうか。ケースバイケースの「おもてなし」が求められているというわけです。

 ●ファンくる

 国内最大級の顧客満足度向上プラットフォーム。お客さまのホンネを基に、効率的に顧客満足度を高めることが可能。定期的に意識調査も行っている。/運営=(株)ファンくる

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら