アポなし!新業態チェック(222)「スターバックス コーヒー」SHARE LOUNGEキラリナ京王吉祥寺9階店
●「スタバ」がCCCとコラボした新業態 「シェアラウンジ」と融合し共通の客席で利用者を共有
「スターバックス コーヒー」は、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下、CCC)が展開するシェアリングスペース「SHARE LOUNGE」(以下、「シェアラウンジ」)と提携した新店舗を東京・吉祥寺にオープンした。
シェアリングスペースとは、コワーキング(共働)オフィスなどのように多くの人たちが共同で利用する貸しスペースのこと。CCCが運営する「シェアラウンジ」は、仕事や勉強をする場所としてだけではなく、喫茶店のように休憩したり、知人と会って歓談したりなど、さまざまな用途で利用できるシェアリングスペースだ。
今回の出店は、同じフロア内で「シェアラウンジ」と「スターバックス」が融合した「LOUNGE&CAFE」という新業態の1号店。「スターバックス」の客席と「シェアラウンジ」の専用スペース、そして双方の利用者が共通で使える席が、壁などで区切られずにつながっている。「スターバックス」のメニューは他店と同じだが、客席の家具や内装が“ラウンジ”を意識した居心地の良いものとなり、中央にある販売カウンターもホテルのフロントのような余裕のあるデザインだ。
「シェアラウンジ」は現在60店舗ほどあるが、店によって特徴が異なり、今回の新店舗では教育玩具などで知られるボーネルンドが監修した幼児向けのプレイエリアを新しく設けた。電源やWi-Fi、書籍・雑誌が自由に利用でき、ドリンクバーやスナックの食べ放題などは各店で共通している。
今後、この業態での多店舗化も計画しているという。
★けんじの評価:控え目な新業態で出店余地の拡大狙う
「スターバックス」とCCCのコラボが始まったのは2003年、東京・六本木にオープンした「TSUTAYA」(現「蔦屋書店」)からだという。それから20年以上が過ぎ、「スターバックス」が「蔦屋書店」や「TSUTAYA」と複合した「BOOK&CAFE」の店舗は、現在約100店舗に達している。しかし、CCCが展開してきたレンタル店や書店は市場が縮小しつつあり、シェアリングエコノミーの拡大を背景に、同社は近年、「シェアラウンジ」への転換を進めてきた。
おそらく、商業施設などにコワーキング施設が増えていることは多くの人が実感しているだろう。こうした施設はカフェのような飲食店と親和性が高く、カフェ運営企業がコワーキング施設で提供する飲食サービスを受託しているケースも少なくない。
また、「スターバックス」は2025年に国内2000店舗を突破し、次第に都市部での出店余地が狭まっている。例えば、吉祥寺にある「スターバックス」は今回の店舗を含めて6店舗。同じ「キラリナ京王吉祥寺」内にも3階に既存の「Tea&Cafe」があるのだ。そうした中で店舗数を拡大するためには、今回のような提携が大きな意味を持つに違いない。
今回の店舗は、「キラリナ京王吉祥寺」の9階フロアをほぼすべて占めているが、駅に隣接するとはいえ、商業施設の9階フロアを独占して埋めることができるテナントはそう多くない。つまり、こうした協業は、同時に商業施設にとってもありがたい存在だと言えるのだ。
◆外食ジャーナリスト・鷲見けんじ=外食チェーン黎明期から、FFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。顧客の気持ちを外食企業に伝えるべく、甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。朝マックとロイヤルホストのカレーフェアをこよなく愛する外食ウオッチャー。
●店舗情報
「スターバックス コーヒー」SHARE LOUNGE キラリナ京王吉祥寺 9階店
開業=2025年11月21日/所在地=東京都武蔵野市吉祥寺南町2-1-25 キラリナ京王吉祥寺9階
●編集協力:株式会社イートワークス
http://www.eatworks.com/












