近代メニュー革新!繁盛レシピ研究所:あじ福みなみ野店「中華ちらし」
“中華ちらし”は北海道帯広市で一般的に知られる大衆丼。早い話、野菜炒めを白飯にのせた野菜炒め丼なのだが、甘口の調味が特徴とされ、ユニークなネーミングと相まって帯広市民から長年親しまれている。
帯広市といえば“豚丼”があまりにも有名なため、中華ちらしが表舞台に出ることはなかった。だが、テレビ番組の「秘密のケンミンSHOW」で取り上げられて以来、中華ちらし目当ての観光客が急増。これを機に第2のご当地グルメを掲げる機運が高まっている。
誕生は43年前。市内「割烹松竹」のまかない食として発案され、大衆丼へと開花した。この元祖直系を受け継いでいるのが「あじ福みなみ野店」だ。
◆あじ福みなみ野店「中華ちらし」800円
作り方
(1)鍋にラードを熱し、豚ばら肉、エビ、イカ、アサリを炒める。
(2)モヤシ、白菜、玉ネギ、長ネギ、ニンジン、チンゲンサイ、キクラゲを加えて炒める。
(3)砂糖10g、醤油20cc、オイスターソース5g、うまみ調味料(適宜)、コショー(適宜)、隠し味ブレンド(秘密)を加えて調味する。
(4)炒めておいた卵を加え、ごま油で香り付けし、白飯に盛り、紅ショウガを添える。
◆営業の概況:テレビ放映後に客数倍増 中華ちらしの注文が半数に
「あじ福みなみ野店」の立地は帯広駅から約6km離れた郊外住宅地。表向きは地元密着の一般的な中華料理店だが、昨年3月「秘密のケンミンSHOW」で「中華ちらしの元祖」と紹介されて以来、人気に火がついた。それまで1日約70~80人だった客数は、いまや平日約100人、週末約150人に増加。中華ちらし目当てのお客が半数を占める“帯広の名物店”として認識を新たにしている。
池田苫英智店主は、「テレビ出演後、地元客が急増。地元熱が一段落した最近は札幌や道外からのお客さまが増えています」と反響を語り、「十勝帯広をアピールする絶好の機会。地域活性の一助になれば」と意気込んでいる。
◆特徴と調理:砂糖とオイスターソースが決め手 具材13種類で彩り豊か
「あじ福みなみ野店」の中華ちらしの魅力は、(1)砂糖とオイスターソースによる甘口調味、(2)モヤシのシャキシャキとした食感、(3)具材13種類の豊かな彩りだ。
初代のころは発祥時と同じ砂糖と醤油だけのシンプル調味だったが、代替わり後、香りに深み、味にコクを演出するため、オイスターソースをベースに独自調味を加えている。レシピ詳細は別掲参照。
中華ちらしは市内約30店で提供されているが、調理方法に特別なルールはない。
「各店総じて甘口でモヤシの量が多いですね」と見渡す池田氏は、「当店のモヤシ使用量は1皿200g。砂糖は10g。大食漢で甘党の北海道文化が如実に反映されているのでは」と推測している。
◆発祥と展開:割烹松竹のまかない食が発祥 元祖はミスター中華ちらし
中華ちらしは1967年、市内「割烹松竹」のまかない食として生まれた。発案者は苫小牧市の中華料理店から転職してきた池田直彦氏。
池田氏は、割烹松竹の中華部門で腕をふるうかたわら、残った材料を使ってまかない食を作っていた。これが従業員の好物となり、具材の彩りが散らし寿司のように奇麗だったことから“中華ちらし”と命名された。
まもなく品書きに昇格して看板料理に躍進。3年後、池田氏は独立して「あじ福」を開業。“ミスター中華ちらし”の異名で活躍し、中華ちらしの大衆化を牽引した。
2001年「あじ福みなみ野店」に移転して代替わり。息子の池田苫英智氏が元祖の味を受け継ぎ、なお一層の味作りに磨きをかけている。また現在、割烹松竹、あじ福から巣立った多くの店が中華ちらしのオリジナリティーを競い合っている。
◆あじ福みなみ野店
所在地=北海道帯広市南の森東2-12-19/経営=(有)あじ福/坪数・席数=20坪・27席/客単価850円/営業時間=午前11時~午後2時、6時~8時、月曜定休
◆エバラで再現!模擬レシピ
○作り方
「黄金の味 甘口」(40g)で一発調味する。
○使用食材:「黄金の味 甘口」
果実と野菜をベースに二十数種類の素材をブレンドし、肉と野菜にからみつきやすいとろみがある焼肉のたれ。焼肉だけでなくさまざまな料理の隠し味としてコクと風味をアップ。
規格=1,550g
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「正直、これほどマッチするとは思いませんでした。そっくりとまではいかなくても、かなり近い味に仕上がりますね。好みで砂糖、醤油を加えて味を調整するとよいでしょう」と2代目の池田苫英智店主