多忙でも読める外食ニュース

2024.10.07 548号 04面

 ●クリエイトRがラーメン企業を買収

 クリエイト・レストランツ・ホールディングスは、札幌市に本店を持つラーメン店チェーン「えびそば一幻」を運営する一幻フードカンパニーの全株式を取得し、連結子会社にすると発表した。「えびそば一幻」は甘エビを使った独自のスープなどで評価が高く、国内外に店舗を展開している。近年、クリエイト社はM&Aによるブランドポートフォリオの拡充を進めているが、麺カテゴリーの分野では、同ブランドがグループ内でのシナジー効果を得られると判断した。

 解説=一幻フードカンパニーは2001年の創業。08年にオープンした札幌総本店のほか、千歳空港や東京都内、台湾、香港などに「えびそば一幻」ブランドで11店舗を展開する。また、土産用や通信販売の商品も充実している。

 ●米国高級ティーブランド、カフェ併設旗艦店出店

 米国の高級ティーブランドとして知られる「スミス・ティーメーカー」が、東京・渋谷にカフェを併設したフラッグシップストアをオープン。コンセプトを「テイスティングルーム」とし、同店で販売している製品をカフェで飲むことができるだけではなく、家庭でも同じ飲み方ができるようにティーの抽出で使用する器具なども販売する。店舗は、2022年から同ブランドのポップアップ店を出店してきた商業施設「スクランブルスクエア」の4階。運営は輸入代理店である東洋べバレッジ。

 解説=同ブランドは、米国にティー文化を広めたことで知られるスティーブン・スミス氏が、引退後の2009年に故郷のオレゴン州ポートランドで新たに創業した。同氏は、過去にスターバックスのチャイラテ開発なども手掛けている。

 ●JR東日本クロスステ、私鉄駅前にそば新業態

 JR東日本グループで外食と食品分野を担当するJR東日本クロスステーションのフーズカンパニーは、東京・調布市にそばの新業態「二八蕎麦 仙川蕎香(せんがわきょうか)」を出店した。店舗は、京王線の仙川駅に近いハーモニーロード商店街の路面店。24席という小型店だが、夜間には、そばの提供前に日本酒とつまみを楽しむ「そば前」を想定したメニューも用意した。独自に開発したそばやつゆなど、従来の駅そばとは違う飲食店ブランドとして、女性客なども取り込む計画。

 解説=JRは国鉄時代から駅構内で立ち食いそばの営業を行っていたため、そば店の運営に関しては歴史が古い。過去にもJR駅ビルへのテナント出店は数多くあったが、今後はJR線のない私鉄の駅前にも出店を計画していくのだろう。

 ●「資さんうどん」を、すかいらーくが買収

 すかいらーくホールディングスが、九州を中心に西日本でうどん店「資さんうどん」を展開する資さんの全株式を取得し、子会社化した。すかいらーくグループでは、商圏が拡大する地方店舗での自社競合が課題の一つ。そのため、既存店を業態転換できる有力なブランドを求めており、自社開発のほかM&Aによるブランドの獲得も狙う。「資さんうどん」は福岡県を中心に70店舗超を展開。九州での知名度は圧倒的に高く、今冬からは関東へも進出する計画で、両社の思惑が一致した。

 解説=すかいらーくグループが得意とするのは、「ガスト」のような汎用型で標準化されたファミリーレストランだ。そうした同グループの中で、「資さんうどん」がどこまでブランドの独自性を維持し続けられるかに注目すべきだろう。

 ●吉野家の新規事業、ダチョウの化粧品

 吉野家ホールディングスが、新規事業としてオーストリッチ(ダチョウ)に関連するビジネスをスタートした。同社では、肉食材の畜種分散という視点からダチョウに着目。ダチョウの飼育、研究、商品開発や販売を行う子会社を通じて研究を進めてきた結果、オーストリッチオイルに美容効果が期待できることを発見。これを配合したスキンケア商品を開発し、販売を開始した。また、吉野家店舗では対象店と食数を限定し、ダチョウ肉を使った「オーストリッチ丼」の販売も実施している。

 解説=スキンケア商品はH&BC(ヘルス&ビューティケア)と呼ばれる製品分野に属するが、中でも化粧品は新規参入が難しいことで知られている。多くの場合、製品のブランディングなどに多額の資金を投入する必要があるからだ。

 ●サイゼリヤが、ベトナムに子会社

 サイゼリヤがベトナムに100%子会社を設立と発表。アジア地域で「サイゼリヤ」ブランドが十分に浸透したと判断し、ベトナムでの店舗展開を計画。同社の海外店舗は、ほかに上海・広州・北京・台湾・シンガポールにある。

 ●セントレアに、ロイヤルホスト出店

 空港内レストランの経験豊富な「ロイヤルホスト」が、中部国際空港セントレアに出店。7月に開業したシンガポール・チャンギ国際空港を含め、同ブランドの空港店舗は国内外で8店目。運営はロイヤルコントラクトサービス。

 ●マグロ専門店開業、マグロ焼肉を提案

 SANKO MARKETING FOODSが、埼玉・大宮に新業態のマグロ専門店「マグロ*リスペクト」をオープン。水産事業も行う同社のリソースを活かし、刺身だけではなく、希少部位を焼肉として食べる「マグロ焼肉」が看板メニュー。

 ●不二家の新業態、ペコちゃんドーナツ店

 不二家が新業態のドーナツ店「ペコちゃんmilkyドーナツ」を神奈川県の商業施設に出店。同社のロングセラー商品「ミルキー」風味の生地をベースに、イチゴやチョコレートのフレーバーを加えた。出店は海老名市の「ビナウォーク海老名」。

 ●鳥貴族のエターナルH、米国に直営2号店

 「鳥貴族」を展開するエターナルホスピタリティグループは、米国カリフォルニアに直営2号店「zoku」を出店した。5月に出店した1号店「HASU」は既存店の営業権を取得したものだったが、今回は米国向けに自社開発した焼き鳥業態となる。

 ●コメダHD、シンガポール企業を傘下に

 コメダホールディングスが、同社の現地子会社を通じてシンガポールの外食企業POON RESOURCESを孫会社化すると発表。シンガポール国内でカフェやタイ料理店など3ブランド、30店舗以上を運営する企業で、70%の株式を取得。

 ●スーパーのオークワ、大阪市にデリカ新業態

 和歌山県に本社を持ち、近畿から東海地方にかけてスーパーマーケットなどを展開するオークワが、大阪市にデリカ&ベーカリーの新業態「アンドデリカ」をオープン。惣菜や弁当、ベーカリーなどに加えて、デザートにも力を入れた新ブランド。

 ●東急系スイーツ専門店、沿線外に初出店

 東急モールズデベロップメントが展開するスイーツ専門店「マイスイーツ」が、住商アーバン開発の商業施設「テラスモール湘南」に出店。全国のスイーツを週替わりで提供する業態で、従来は東急線沿線のみに出店していたが、今後はエリアを拡大。

 ●スタバが埼玉SCに、ファミリー向け新店舗

 「スターバックスコーヒー」が、埼玉県の商業施設「越谷イオンレイクタウン」に出店している7店舗のうち1店舗を、ファミリー向けとしてリニューアル。「キッズフラペチーノ」など、子ども向けの商品やサービスを導入し、内装の意匠や店内レイアウトも変更した。

 ●シャトレーゼHD、ワイナリー物件購入

 菓子店「シャトレーゼ」などを展開するシャトレーゼホールディングスは、サッポロビールが閉鎖を決めた「グランポレール勝沼ワイナリー」(山梨県甲州市)の土地・建物を取得すると発表。来年5月をめどに、手狭となった「シャトレーゼ勝沼ワイナリー」を移転する。

 編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)

 http://www.eatworks.com/

 ※記事は一部の固有名詞を省略

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