宅配サービスの注目株(14)レストラン・エクスプレス「銀のさら」「釜寅」…
平均月商300万円未満の店舗が多いといわれている宅配寿司業界において、売上げシェア47%、平均月商630万円以上という強さを誇る「宅配寿司 銀のさら」。同店を経営する(株)レストラン・エクスプレスは、FCブランドの加盟開発代行に関して、2008年6月に(株)ベンチャー・リンクと契約を締結し、短期間に加盟店の増加を見込み、さらなる圧倒的なナンバーワン・デリバリー業態を目指している。
2008年6月24日、(株)レストラン・エクスプレス(以下「RE社」)は、「銀のさら」をはじめとする同社の運営するFCブランドの加盟開発代行に関して、(株)ベンチャー・リンク(以下「VL社」)と契約を締結した。
もともと両社の間には、RE社は、(株)サブマリンとVL社の合弁で2001年に設立され、その後、VL社側が資本・業務提携を解消したという経緯がある。
今回、契約の対象となったのは、「宅配寿司 銀のさら」と「宅配御膳 釜寅」の複合店舗、並びに「釜寅」だけの単独店の加盟開発業務に関して。そのため、加盟契約締結後の立地開発や、SV等のFC本部業務については、これまでどおりRE社が行う。
RE社では、「物流センターの完備など、組織や体制の準備が整った」として、宅配店舗の商圏を1店舗当たり5万世帯と設定し、全国400ヵ所での出店を可能としている。VL社側はこれを支援し、来夏までに約100店の新規出店を目指す。
2002年にチェーン展開を開始した「銀のさら」は、ハレの日のごちそうイメージが強く、週末やディナータイムでの需要が極めて多いという特徴がある。店舗数は6月現在で286、1店舗当たりの平均月商は630万円。一方、2004年にチェーン展開を開始した「釜寅」は現在96店舗あり、平均月商250~300万円。こちらは日常食として安定した需要があるという。
これら2つのブランドの相乗効果を追求する複合店舗は「釜寅」のチェーン展開開始の2004年より出店しており、既に全国で84店舗を展開中だ。出店時のコストは、単体の場合とほぼ変わらない。利用動機の違いなどお互いの弱点を補完し合い、売上げの向上、オペレーションコストの安定を図る。こうした狙いは、「現在のところ、複合店の出店は99%成功しており、超高収益モデルといえる」と、同社代表取締役社長・江見朗氏。
RE社では、「銀のさら」「釜寅」以外にも、「BBQ」フライドチキンや宅配創作寿司「鹿鳴館」など新業態開発も進めており、将来的には6ブランド前後を持ち、これらの組み合わせによる複合店舗の出店も行っていきたいとしている。
◆「(株)レストラン・エクスプレス」/本部所在地=東京都港区三田3-5-27 住友不動産三田ツインビル西館18階/企業年商=123億円(2008年3月現在)/代表取締役社長=江見朗
◆「(株)ベンチャー・リンク」/本社所在地=東京都台東区寿2-1-13/代表取締役社長=松本信彦