関西版:惣菜と食材宅配「トドクック」が新たなスタート 安全で低価格、日常食応援

2009.03.02 354号 16面
1月に最も多く売上げたメニュー「和風ロールキャベツ」

1月に最も多く売上げたメニュー「和風ロールキャベツ」

 1981年創業の「おかずのカネジ」と1986年創業の「ラビットクック」、両社とも女性の社会進出と食卓を豊かにしたいニーズから生まれた惣菜宅配事業会社だ。昨年12月、玄品ふぐを展開する関門海の子会社として、両ブランドが完全統合し「レシピと食材・トドクック」として新スタートを切った。

 関門海グループが、07年5月民事再生中のかね治(おかずのカネジ)の惣菜宅配事業を譲受し、08年7月にはトーホーの子会社だったアクト・デリカ(ラビットクック)をM&Aした。カネジ2万世帯、ラビットクック1万世帯、合わせて京阪神地区に3万世帯のユーザーを抱える会社が誕生した。新会社名は「届く」と「クック(料理)」を合わせた「トドクック」とし、「安心・安全な食材をお届けすることで、食卓を笑顔にしたい」が方針だ。

 必要な日のために必要な食材を、インターネット、注文用紙、電話や担当営業を通じて注文すれば、ユーザー不在でも生活スタイルに合わせて自宅に「便利で安全な日常食」を配送する。入会金、年間費、配達料は無料で、客単価平均は月1万8000円。09年1月5日号からトドクックは、惣菜宅配型のレシピ版(6000アイテム)と、現在量販店でも展開が進む小売商品を宅配するストア版(300点)の2カタログを配布した。人気メニューは、自社工場で作る揚げ物、シチューやカレーなど。ストア版では、メバチマグロ不定形やへこみキャベツなどの規格外の「訳あり」品が好評で、同社は今後、ストア版の拡販に力を入れる。

 トドクックの特徴は、(1)野菜は北海道当別町の自家農園で栽培したものを使用し、鮮魚は漁港と直接取引し、生産者とつながり「食材」を作る(2)玄品ふぐで培った開発力をもとに、ミネラルバランスの取れた調味料や食事レシピ開発で健康的なおいしさを追求(3)約1300坪の八尾商品センターで各世帯への自社配送便手配、敷地内工場では食材カットや仕分けのほか、たれ・だしの生産など、全工程を自社で行い安心・安全を提供(4)無駄をなくすよう、訳あり商品や冷凍技術の開発にも注力。

 前期業績はカネジとアクトデリカがともに営業損失を出したが、「営業地域が重なる2社の統合により、八尾のたれ・つゆの生産工業のランニングコストが下がり、同地域内で17ヵ所ある事業所を9ヵ所に圧縮、配達コストの削減、カタログ関連の統合などでコスト削減が進み、上期で単月黒字化し、通期は黒字化する」(同社)。今11月期予想は売上高45億5000万円、利益1億2000万円。将来的に4万世帯のユーザー確保を目標にしている。

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