メニュートレンド:豚肉新次元 「四元豚」が人気 「デニーズ」
デニーズは、今春から豚肉メニューで「四元豚シルキーポーク」(以下・四元豚)を採用し、上々の反響を得ている。これまでも「三元自然豚」を使用して差別化を図ってきたが、三元豚は最近、外食の他市販市場にも普及してマンネリ気味。「デニーズは、よりよい品質を提供する使命から、三元豚より上質な四元豚を採用しました」と、同店を手がける(株)セブン&アイ・フードシステムズ・レストラン事業部PRSPの諏訪美紀子氏は語る。
◆肉質軟らかく 甘い脂身で心つかむ
四元豚は、日本ではまだ珍しいチェスターホワイト種の豚を掛け合わせているのが特徴。最適なアミノ酸バランスに調節した特別飼料で飼育され、流通も米国の指定農場から日本市場まで一元管理されており、最高品質と安全安心を両立する新種として脚光を浴びている。
諏訪氏は、「肉質も軟らかく、かめばかむほど口の中にうま味があふれ、脂身の甘味も好評。豚肉が苦手だった方からも大好評です」と確かな手応えをつかんでいる。
四元豚メニューの第1弾は今年4月。「四元豚のロースとんかつ」「四元豚のやわらかトンテキ」「四元豚の豚しゃぶ」の3品を発売した。併せてチラシなどの事前予告の他、四元豚の解説をメニューブックやポスターで展開。四元豚の認知アップに努めた販売促進策が奏功し、導入当初から人気を獲得し、現在も安定したオーダーを確保している。
6月のメニュー改編時には、「四元豚シルキーポークハンバーグ クリームマスタードソース」「四元豚のトンテキ コチュジャン風味」「四元豚の豚しゃぶと選べる小鉢膳」を打ち出し、一部店舗では「四元豚のかつ丼とうどん」「四元豚のかつ煮御膳」を追加ラインアップしている。
諏訪氏は、「性別・世代に区別なくご好評をいただいてますが、どちらかといえば女性のお客さまのご注文が多いようです」と語り、「リピーターの方も多く、一度食べればそのおいしさを実感いただけるでしょう」と期待を込める。
今後もソースや付け合わせなどに季節感を取り入れながら、四元豚の魅力に磨きをかけていく考えだ。
●店舗情報
「デニーズ」 経営=(株)セブン&アイ・フードシステムズ/本社所在地=東京都墨田区八広1-25-12/営業時間=24時間営業、無休(一部異なる)
●愛用資材・食材:四元豚 シルキーポーク
飼料から衛生まで一元管理
三元豚に、チェスターホワイト種を掛け合わせた豚で、甘味のある脂やサシの入った軟らかい肉質など、日本人好みの食味が特徴。チェスターホワイト種は、欧米で人気の高い品種ながら、日本ではほとんど飼育されていない希少な品種だ。四元豚は、アメリカの指定農場で最新鋭の肥育技法「SPMD農法」で飼育されるが、発育段階に合わせて9種類もの異なる配合飼料を供与。それにより最適なアミノ酸バランスに調整されている。
※SPMD農法……ストレスのかからない環境で、成長ホルモンなどは使わず、肥料も残留農薬の検査をパスしたものだけを成長段階に合わせて与える農法。