メニュートレンド:日本初のカスタムチョップサラダ専門店 クリスプ・サラダワークス
ニューヨークやロサンゼルスなど米国の都市部では、自分の好きなトッピングを選べるカスタムサラダが気軽に食べられるサラダ専門店が目立つ。米国ではやっているものは、時間差で日本にも導入されるとにらんだのが、クリスプの宮野浩史社長。最近では、パンケーキやポップコーンなどがその好例。「クリスプ・サラダワークス」が提供するサラダはサイドメニューではなく、完成した一つのメーンメニューとして人気急上昇中だ。
●サラダをメーンメニューに格上げ 消費者のサラダ需要を掘り起こす
同店では次のようなオペレーションでサラダを提供している。(1)レタスなど好みのベースを選ぶ(2)トッピングを選ぶ(3)ドレッシングを選ぶ(4)最後に、スタッフがメッザルーナと呼ばれる半月状の特殊なナイフで、好みの大きさにサラダをチョップする。
チョップすることで野菜、トッピング、ドレッシングがひと口の中で混ざり合い、「野菜を食べる」という感覚ではなく、すべての素材が調和した一つのメニューに完成している点が特徴だ。
ベースはロメインレタス、ホウレンソウ、ワイルドライス+雑穀米の3種類から一つ。トッピングはトマト、セロリ、アップル、オレンジ、ロースト豆腐、アーモンドなど20種類もある中から4種類まで選択可。カスタムサラダの他にも、ベース、トッピング、ドレッシングがすでに組み合わされた「シグネチャーサラダ」もメニュー化されている。
もう一つの特徴が「安心・新鮮・手作り」の3拍子。合成保存料、着色料は一切不使用。できるだけ作り置きせずに、ほぼすべての食材を店舗内で調理している。野菜は畑から届いたものを店頭でカットし、ドレッシングとマヨネーズも自家製。ロースハムは新鮮な生肉を使って店内で昔ながらの製法で手作りし、チキンは自家製マリネードに漬け込んでから焼き上げる。手間はかかるが、その分のメリットは十分期待できる。そもそも外食でサラダを選択する人は健康志向が強い。その顧客層に「安心・新鮮・手作り」をアピールすることでメニューの差別化が図れるというわけだ。
宮野社長は「食事としてのおいしいサラダを気軽に食べられる店は、国内にはほとんどない」と分析する。その一方で、デパ地下、スーパー、コンビニなどの“中食”では、サラダメニューは種類が豊富で充実している。サラダを好んで食べる文化自体は存在することになり、新しいサラダの食べ方を提案することで、外食における潜在的なマーケットを刺激するはずだ。昨年12月に東京・麻布十番に誕生した「クリスプ・サラダワークス」は、まさにその成功例といえるだろう。
●店舗情報
「クリスプ・サラダワークス」
経営=クリスプ/店舗所在地=東京都港区三田1-10-10 三田グリーンハイツ1F/開業=2014年12月/営業時間=午前11時~午後10時 毎月第3月曜休(ただし祝日の場合は翌日)/坪数・席数=29坪・30席/平均客単価=1500円
●愛用資材・食材
「FIFO ボトルディスペンサー」 販売取扱店:日光陶器店(静岡県三島市)
液だれしなくて衛生的
吐出口が下向きになっているので、粘度のあるドレッシング類でも、常に出やすい状態でスタンバイ。バルブ部分はカウンターの表面や食材に直接触れない構造になっている。「ドレッシングのディスペンサーに使っていますが、使い勝手がよく、液だれがないうえに、上下のキャップを外して洗浄できるので衛生的です」と宮野社長。
規格=左から354cc、473cc、590cc、709cc、946cc